こんばんは。
ヒロセです。
FXでトレードをするにあたっては、FX会社に口座を開設し、お金を預け入れる必要があります。
その際、『預けたお金は大丈夫か?』などと疑問に思ったことはないですか?
結論から言えば、大丈夫です。
なぜならば、FX会社を利用する際には投資家の資産を保証するための法整備がしっかりとなされているからです。(取引で損した場合は別ですよ)
しかし、いくら資産が保証されているとはいえ、万が一FX会社が倒産したとしたら・・・
その後の手続きの手間や時間が無駄になりますよね。
それに加え、その間に出るハズだった利益を失うといったことが考えられます。
ですので、取引するFX会社を選ぶ際にはスプレッドやスワップポイントなどの条件と同時に、
『どれだけ健全に経営しているのか』
と、いった点も見るべきだといえるでしょう。
今回は安全なFX会社を選ぶ際に指標となる『自己資本規制比率』についてお話します。





目次
自己資本規制比率とは
自己資本規制比率とはFX会社の健全性を推し量る目安の1つとなるものです。
計算式は
・自己資本規制比率(%)=固定化されていない自己資本の額÷リスク相当額×100
で表されます。
自己資本規制比率は金融商品取引法 により、一定の水準を保つことが定められていて、3ヶ月ごとに公表することが義務付けられています。
なお、定められた水準を下回った場合、以下の措置が取られます。
・140%を下回った場合:金融庁に届出を要する。
・120%を下回った場合:金融庁は、業務の方法の変更を命じ、財産の供託その他監督上必要な事項を命ずることができる。
・100%を下回った場合:金融庁は、3月以内の期間を定めて業務の全部又は一部の停止を命ずることができる。
自己資本規制比率が下がるとどうなる?
自己資本規制比率の水準は140%、120%、100%と区切られているわけですが、この際のFX会社に課せられる義務については上記した通りです。
しかしながら、この値は3ヶ月毎(FX会社によっては毎日あるいは毎月)に顧客に公表されていますので、ただ金融庁のいう通りにしていれば済むというものではありません。
なぜかというと、自己資本規制比率とはFX会社の信用にかかわる指標であり、コレが下がるということは
会社の業績が下がる原因となり、業績が下がればさらに自己資本規制比率が下がる
といった『負のスパイラル』に陥る可能性があるからです。
仮に、自己資本規制比率が100%を切ってしまった場合、3ヶ月を限度として業務停止命令が下される場合があります。
具体的に顧客に及ぼす影響として、業務停止期間は決済以外の取引はできなくなります。
あなたがそこにお金を預けてトレードしていたとしたらどんな気持ちになるか考えてみてください。
FX会社にとって、自己資本規制比率とは会社の信用そのものであり、存亡がかかっている数字だといっても過言ではないのです。

自己資本規制比率はどうやって調べたらいいの?
国内の主なFX会社の自己資本規制比率は、公式HPからの『会社案内』『会社概要』などのリンク内に『開示情報』として含まれています。
開示の仕方によっては、単なる数字のみならず、顧客に対する姿勢の違いも感じられるでしょう。
とりあえず、FX会社のランキングサイトに載ってるような会社をランダムに選んで調べてみましょうか。(*´ω`*)
注意ポイント
開示情報は記事執筆時のものであり、変動します。
気になる人は口座開設の前にHPで調べることをオススメします。
主なFX会社の自己資本規制比率の開示情報
・トレイダーズ証券(みんなのFX、LIGHT FX)
2019年3月末時点
(百万円)
基本的項目(補完的項目含む) 2,907 控除資産 242 固定化されていない自己資本 2,665 リスク相当額 724 市場リスク相当額 2 取引先リスク相当額 139 基礎的リスク相当額 583 自己資本規制比率 367.6%
・外為どっとコム
・YJFX!
(単位:百万円)
2019年5月末
基本的項目 (A) 23,546 補完的項目 (B) 1 その他有価証券評価差額金(評価益)等 - 金融先物取引責任準備金等 - 一般貸倒引当金 1 長期劣後債務 - 短期劣後債務 - 控除資産 (C) 2,812 固定化されていない自己資本 (A)+(B)-(C) (D) 20,735 リスク相当額 (E) 1,539 市場リスク相当額 85 取引先リスク相当額 252 基礎的リスク相当額 1,202 自己資本規制比率 (D)/(E)×100 (F) 1346.4% 自己資本規制比率は、小数点以下第2位以下を切り捨て、小数点以下第1位まで記載しております。
自己資本規制比率推移表
2019年
1月 2月 3月 4月 5月 6月 1344.1% 1360.3% 1342.6% 1272.4% 1346.4% - 7月 8月 9月 10月 11月 12月 - - - - - -
・ヒロセ通商
・GMOクリック証券
・DMM FX
会社概要
会社名
- 株式会社DMM.com証券
DMM.com Securities Co.,Ltd.所在地
- 〒103-6026 東京都中央区日本橋2-7-1 東京日本橋タワー 26階
設立 平成18年12月6日 資本金 98億円 資本準備金 73億9千万円 自己資本規制比率 339.7%(平成31年3月末)決算修正前 代表者 代表取締役 谷川 龍二 登録及び許可
- 平成19年9月30日 第一種金融商品取引業
平成23年1月1日 商品先物取引業
平成29年6月27日 第二種金融商品取引業
関東財務局長(金商)第1629号
- 加入する協会
及び認定投資者保護団体等
- 日本証券業協会(協会員番号1105)
一般社団法人 金融先物取引業協会(協会員番号1145)
日本投資者保護基金
日本商品先物取引協会
一般社団法人 第ニ種金融商品取引業協会(協会員番号480)事業内容
- 金融商品取引業務
店頭デリバティブ取引業務(FX・CFD)
店頭商品デリバティブ業務
商品投資関連業務(競走用馬)出典:DMM FX 会社概要
・SBI FXトレード
自己資本規制比率
(単位百万円)
自己資本規制比率(A/B) 1,468.8% 固定化されていない自己資本(A) 7,668 リスク相当額(B) 522 市場リスク相当額 2 取引先リスク相当額 91 基礎的リスク相当額 428 2019年3月末
・マネーパートナーズFX
(単位:百万円) 2019年3月末 固定化されていない自己資本 (A) 4,482 リスク相当額 (C)+(D)+(E) (B) 1,350 市場リスク相当額 (C) 29 取引先リスク相当額 (D) 209 基礎的リスク相当額 (E) 1,110 自己資本規制比率(A)/(B)*100 331.9% 2019年月次推移
(月末) 口座数 前月比 預り高
(百万円)前月比
(百万円)※ 自己資本
規制比率2019年 12月 - - - - - 11月 - - - - - 10月 - - - - - 9月 - - - - - 8月 - - - - - 7月 - - - - - 6月 - - - - - 5月 332,653 1,125 63,060 -1,166 360.0% 4月 331,528 1,298 64,226 1,669 290.8% 3月 330,230 1,169 62,557 872 331.9% 2月 329,061 1,202 61,685 -411 332.8% 1月 327,859 1,438 62,097 -903 329.1% ※ 自己資本規制比率は内閣府令で定められた方式に基づき計算し、財務局に提出した数字です。
・FXブロードネット
総口座数ならびに純資産推移(年末時点)
総口座数 純資産推移
(百万円)自己資本規制
比率(%)2018年12月 193,677 4,174 336.1 2017年12月 184,070 4,720 660.0 2016年12月 176,728 4,775 688.4 2015年12月 172,831 4,875 575.1 2014年12月 167,642 4,955 675.3 2013年12月 158,829 4,860 685.8 2012年12月 146,369 4,161 637.9 2011年12月 128,784 4,370 515.9 2010年12月 101,690 3,891 577.1 2009年12月 67,612 3,149 423.8 2008年12月 30,732 1,445 375.7 2007年12月 1,214 281.4 (単位:百万円)
項目 平成31年4月30日現在 自己資本規制比率
(A) / (B)334.1% 固定化されていない自己資本の額
(A)1,024 市場リスク相当額
取引先リスク相当額
基礎的リスク相当額0
15
290リスク相当額合計
(B)306
・FXプライムbyGMO
※FX会社ごとに表示方法が違うことについてはご容赦くださいませ。m(_ _)m
以上、とりあえず10社の開示情報を引用してみました。
繰り返しになりますが、ここで示したデータは変動していくという点を忘れないでくださいね。(*´ω`*)
法の義務付けによる3ヶ月ごとの開示だけではなく、1ヶ月ごとや1日ごとに開示していたり、
年次や月次の推移をグラフ化していたりと、意外と各社毎に違うことがわかったと思います。
個人的には開示した時点の情報よりも
『自己資本規制比率がどのように推移しているのか』
が、非常に大事だと考えているので、こういった情報を開示している会社は顧客に対して誠実であると評価できます。
少なくとも私は『ちょびっとだけスプレッドやスワップポイントが有利』な会社よりも、こういった会社の方が大好きです!(*´ω`*)
口座数・預り金額・取引数量の推移を開示していながら、自己資本規制比率の推移を開示していないFX会社に対しては
『ちょっともったいないな~』って感じがしますね。(あくまでも私見です)(;^ω^)
各FX会社の自己資本規制比率比較表
上記で抜粋した開示情報ですが、見にくいのでちょいと表にまとめてみました。
開示年月 | 自己資本規制比率 | 自己資本規制比率推移の開示(推移開示項目) | |
トレイダーズ証券 | 2019年3月末 | 367.6% | なし(口座数、預かり資産) |
外為どっとコム | 2019年3月末 | 1312.3% | なし(口座数、預かり高、取引高) |
YJFX! | 2019年5月末 | 1346.4% | あり、月次 |
ヒロセ通商 | 2019年3月末 | 560.3% | なし(口座数、預かり高、取引高) |
GMOクリック証券 | 2019年3月末 | 386.4% | なし(口座数、売買代金等) |
DMM FX | 2019年3月末 | 339.7% | なし |
SBI FXトレード | 2019年3月末 | 1468.8% | あり、日次 |
マネーパートナーズFX | 2019年3月末 | 331.9% | あり、月次 |
FXブロードネット | 平成31年4月30日 | 334.1% | あり、年次、月次 |
FXプライムbyGMO | 2019年6月末 | 852.3% | なし(口座数、売買代金) |
※2019年7月時点でのデータ。
この表を見る限り、財務状況が危険なレベルのFX会社はなさそうですね!
しかし、やはり数値の大きい会社の方が、リスクに対して強いということは間違いのない事実です。
口座の開設はどこのFX会社でも気軽にできますが、いざ入金する際には必ずチェックしておきたいのが『自己資本規制比率』です。

まとめ
今回、私も初めて『自己資本規制比率』というものを意識してデータを集めてみました。
各社によって意外と違うものですね~
気にし過ぎる必要はないとは思いますが、
特に、長期にわたってトラリピやスワップポイントの複利運用などを行う人にとっては気になるデータなのではないでしょうか。
・自己資本規制比率は金融商品取引法 により、一定の水準を保つことが定められていて、3ヶ月ごとに公表することが義務付けられている。
・自己資本規制比率が決められた水準を下回ると、それぞれの水準で措置が取られる。
・自己資本規制比率はFX会社の信用に直結しており、下がることにより『負のスパイラル』に陥る可能性がある。
・自己資本規制比率は常に変動する。
・その時の数値だけではなく、これまでの推移も大事。
・入金する際には必ず『自己資本規制比率』チェックしましょう。
以上、最後まで読んでいただきありがとうございました。
それではまた。
FXトレードする際にはしっかり下調べして余計な不安をなくしてトレードしてくださいね♪(*´ω`*)
ヒロセ
ヒロセオススメ各社の自己資本規制比率はこちらからも確認できます。