どうも。
ヒロセです。
トラリピのリスク管理、どうしてますか?
マネースクエア の運用試算表に必要項目を入力すればロスカットのレベルはわかります。
では、実際にあなたの口座がロスカット間近になってしまった時、具体的にどうすればいいのか考えているでしょうか?
ポイント
レートが不利になってきたら不安しかない・・
ストップロス入れてたら安心じゃないの?
具体的な方法を教えて欲しい
このような疑問にお答えします。
この記事では、私が実際におこなってきたリスク管理の実践方法をお伝えします。
ロスカットレートを把握していても、なにもせず眺めていたら成す術なくロスカットされるだけです。
事前にリスク管理方法を決めておくと、いざとなった時に慌てずに対処できますよ。
是非理解してあなたの資産を守っていただきたいと思います。
目次
ロスカットが近づいてきたらやるべきこと
FX投資をするときに投資家が一番恐れるのがロスカットでしょう。
だれでもロスカットされないようにトラリピ設定を考えると思いますが、予期せぬことは起こるものです。
ロスカット間近までレートが動いてしまうと、できることはそれほど多くはありません。
前提条件を設定して対策をシミュレーションしてみます。
ここでは、
レートが72円まで下落
しているものと仮定してお話をしていきます。
前提条件
通貨ペアは? | 米ドル円 |
仕掛けるレンジ幅は? | 72~100円 |
レンジ内に仕掛ける本数は? | 29本 |
1本あたり何通貨? | 0.1万通貨 |
1回のリピートで狙う利益は? | 1000円 |
レートの推移は? | 100円から始めて現在72円まで下落 |
資金を追加する
これが一番確実な方法です。
資産運用表で確認してみましょう。
前提条件を入力し、まずは資金を50万円に設定してロスカットの値を計算してみます。
資金が50万円のとき、ロスカットレベルは71.624円です。
レートは前提条件の通り、現在72円です。
ヤバいですよね!
なんとかしないといけません!
そこで資金追加です。
20万円を追加してみましょう。
他は全く同じ設定で、資金額だけを20万円追加して70万円にしてみました。
資金が70万円のとき、ロスカットレベルは64.440円です。
20万円の資金追加で7.184円ロスカットレベルが下がりました。
これでホッと一安心・・やれやれですね♪
しかし、ここで多くの人はこう思います。
『それができれば苦労しないよね』
と。
わかります。私もそう思いました。
損切りする
追加する資金がないなら損切りするしかありません。
マネースクエアのトラリピ設定でストップロスを入れてたら安心でしょ!って思いますよね?
ところがどっこい、ところがどっこいなんですよ!
大事なことなので2回いいました。(;^ω^)
マネースクエアのストップロスには次のような特徴があります。
Q:トラリピ注文にストップロスを入れられますか?
A:回答
可能です。
ただし、ストップロス価格は、ひとつのトラリピ注文に対して同一レートが適用されます。
参照:マネースクエアQ&A
これがどういうことなのか、説明します。
上記したトラリピ設定で72円にストップロスを設定していたと仮定します。
すると、レートが下落して72円に達したら次のようになります。
72円になると
・全てのポジションが一斉にカット
・含み損がすべて確定する
前提設定では100円から72円まで下落しているのですべてのトラップが発動し、含み損は-406000円になっています。
ということは、72円に達した時点で即ストップロスが発動したとしたら、損失額は40万6千円です。マジか・・(;´・ω・)
資金50万円のうちの40万6千円です。
それでは被害が大きすぎると思いませんか?思いますよね!?
私は思います!
ってわけで、トラップを個別に損切りすることをお勧めします。
ただし、マネースクエアのトラリピ注文では個別にストップロスを入れるすることはできません。
そこで、一旦、トラリピ注文を取り消す必要があります。
トラリピ注文を取り消すと現在保有しているポジションを個別に損切り注文できるようになります。
では、どのように損切りするのがベストなのか検証してみましょう。
上から損切りする場合
トラップを上から、つまり含み損の大きいポジションから損切りする場合をみてみます。
トラップ本数が29本なので、約半分の14本を切ったとして再計算してみましょうか。
100円から87円までのトラップ14本、計1.4万通貨を損切りしたと仮定して再計算してみた結果です。
損切り額の合計は-301000円です。
計算式
(損切りレート‐損切りポジションの平均取得単価)×損切り量
{72円-(100円+87円)÷2}×14000=-301000
損切りとして含み損合計の-301000円を確定させたので、運用予定額は199000円になってしまいました。
損切り後のトラップは72~86円の15本です。
レートが72円の時点での含み損は-105000円です。
ロスカットレベルは71.624円から68.473円へと3.151円下がりました。
上から損切りした結果
損切りポジション:1.4万通貨
損切り額:-301,000円
含み損:‐105,000円
運用予定額:500,000円➡199,000円
ロスカット:71.624円➡68.473円
下から損切りする場合
次にトラップを下から、含み損の小さいポジションから損切りする場合をみてみます。
85円から72円までのトラップ14本、計1.4万通貨を損切りしたと仮定して再計算してみました。
損切り額の合計は-91000円です。
計算式
(損切りレート‐損切りポジションの平均取得単価)×損切り量
{72円-(85円+72円)÷2}×14000=-91000
損切りとしてトラップの含み損合計の-91000円を確定させたので、運用予定額は409000円になりました。
損切り後のトラップは86~100円の15本です。
レート72円の時点での含み損は-315000円です。
ロスカットレベルは上から切ったときと同様、68.473円ですが、運用予定額は409000円と多く残っています。
下から損切りした結果
損切りポジション:1.4万通貨
損切り額:-91,000円
含み損:‐315,000円
運用予定額:500,000円➡409,000円
ロスカット:71.624円➡68.473円
トラリピの損切りは下から
以上の結果を比べてわかった通り、
損切りでポジション量を減らす場合、上から切っても下から切っても下げられるロスカットレベルは同様です。
トータルの損失額(確定損+含み損)も同じです。
では何が違うかというと確定損と含み損の割合なんです。
もともとトラリピというものは含み損を抱えるものです。
しかし、現状含み損を抱えているポジションでも保有している限りスワップポイントが入ってきます。(プラススワップの場合)
つまり、確定損が多かろうが少なかろうが、ポジションを減らした量が同じならば、ロスカットレベルも入ってくる利益も変わらないってことです。
結論として、トラリピの損切りをする場合は
なるべく損失を確定せずにポジションを減らす
のが正解なのです。
ポイント
トラリピで損切りをする場合は損失の少ないポジションから切って確定損をなるべく低く抑えよう
手動トラリピの場合
ここで私がお勧めする手動トラリピの場合を考えてみましょう。
損切り額は最小で済む
手動トラリピといえども最初は運用試算表で計算して設定を決めます。
ここでは前提条件を設定しましたので、その通りに運用するとします。
しかし、最初からすべてのトラップを発注しなければいけないわけではないのです。
ここが、マネースクエアでのトラリピや他のループイフダンなどとの決定的な違いです。
100円から買い下がるにしてもレートが下落するにつれて1本づつ発注すればいいのです。
どんどんレートが下がって、例えば80円を割ったらどうしますか?
その時点で危機感を覚えたらいくらでもやりようがありますよね。(危機感を覚えるレートは人それぞれですが)
そこから下は発注をやめるだとか、トラップ幅を広くするだとか、1本あたりの通貨量を減らすだとか・・・
80円を割って、前提の72円まで下落したとしてもそこへ至るまでに何らかの対策をしているとしたら損切りでの確定損は最小に抑えられるのです。
※あくまでも適切な対策をしていればの話です。
状況というものは変わっていくもの
ここでは米ドルのレンジを72~100円の間に設定していますが、
そもそもそれだけレートが動くのにどれだけ時間がかかりますか?って話です。
その間にトラリピで資金が増えている可能性は高いです。
資金が増えればそれを再投資に回して複利を狙うのが資金増加の最短ルートです。
手動トラリピならば、増えた資金を即座に再投資に回すなど、あらゆる状況に応じて柔軟に対応できます。
手動トラリピの資金管理の考え方
状況に応じてトラップ幅を変えたり、通貨量を変化させられるのが手動トラリピの利点の1つです。
ではその場合の資金管理はどうすればいいんでしょうか?
ここからは、実際の私の保有ポジションを例にお話をしていきます。
※記事執筆時点
これは私が現在保有しているポジションの明細ですが、5月に入ってからポジション量の調整をしたため、運用試算表では計算できない状態です。
この場合は『平均取得単価』と『保有ポジション総量』でレートに応じた損益が計算できます。
これが保有ポジションの『サマリー』と呼ばれるものです。
この場合、
『平均取得単価=平均約定価格』
『保有ポジション総量=未決済数量』
です。(この辺の表現はFX会社により違います)
その時のレートで含み損益を計算する方法は次の通りです。
(レート-平均約定価格)×未決済数量=評価損益
つまり、サマリーを見れば、
『レートが〇〇円になったときに、含み損が-〇〇円になる』
と、いった計算が簡単にできるわけです。
例えば、
レートがこのまま-2円下落すると評価損益はさらに-2060000円下がります。
特に未決済数量は必ず把握しておくことをお勧めいたします。
未決済数量は、
レートが1円動くとそれだけ損益が上下する
と覚えておいてください。
まとめ
お疲れ様でした。
この記事では想定した下限近くまでレートが下がってきたときの対応の仕方を考えてみました。
いざというときに慌てずに済むように、対策を考えておきましょうね!
できることなら資金を追加できるように貯蓄をしておくのが一番のお勧めです。
事前に対策を考えて、想定される損失を把握しておくことで、予定通りの行動を取りやすくなります。
※表計算ソフトを使用した損切りシミュレーションはこちら。
ロスカット間際に一番やってはいけないことは、次のような行動です。
やってはダメ!
・不安から逃れるための全決済
・現状把握の放棄
お金を失うストレスは想像を絶するものがありますが、そこで思考停止してしまうと本当に資金のほとんどを失ってしまいます。
損失と向き合うことは覚悟が必要ですが、さらなる損失を招かないために出来るだけのことをしておきましょう。
損切りして資金を減らしてしまうとどうしても時間が無駄になってしまいます。
人生の時間というものは限られていますのでできる限り有効に使いたいものです。
それではまた。
あなたのFX投資が危機に陥りませんように願っています。
ヒロセ