どうも。
ヒロセです。
FXの世界では、いまだコロナウイルスの影響が色濃く残っていますが、あなたの口座は大丈夫でしょうか?
私の口座は瀕死です・・(ヽ''ω`)ゲッソリ
※記事執筆現在
ポイント
分散投資しても円全面高で結局どれも損失
外貨同士の具体的な損益計算方法が知りたい
このような悩みにお答えします。
この記事では、円高円安など『円の影響』を少なくする通貨ペアの組み合わせと、その損益計算方法を解説します。
せっかく、複数の通貨ペアに分散していても、円の影響でどれも含み損を抱えてしまっては意味がありませんよね。
『有事の円買い』とか『リスク回避の円高』とか、もう聞くのもイヤになってる人も中にはいるんではないでしょうか?
是非、円の影響を抑えて全面高や全面安に備えていただきたいと思います。
目次
円高の影響が少ない通貨ペア
2020年2月に端を発した『コロナショック』では、ほとんどの通貨が対円で下落し、
円全面高となりました。
下落規模も相当なものですが、下落スピードがとにかく速く、対応が遅れた人も多いのではないでしょうか?
記事執筆現在も、新興国や資源国通貨は下落したまま推移しています。
特に、私が買いトラリピ向きとしてオススメしている高金利通貨は軒並み、
史上最安値を大幅に更新
しており悲惨な有様を呈しています。
メキシコペソ円日足チャート
えげつな!( ゚Д゚)
為替関係者の間では『円は安全資産』であるとの認識であり、ヤバい状況になったら買いが殺到することが『円全面高』の理由です。
円の影響を抑えるためには、
外貨同士を組み合わせた通貨ペアでトレード
するといいですよ!
円が強く影響するのは『ドル円』『ユーロ円』など、後ろ側が『円』の通貨ペアです。
この場合、円が『決済通貨』と呼ばれます。
円で直接、外貨を買ったり売ったりするんだから影響が大きいのは当たり前ですよね。
※厳密に言えばドル円以外の外貨の場合、外貨/米ドル×米ドル/円となります。
というわけで、
外貨同士を組み合わせた通貨ペアで円の影響を抑えましょう!
が、ここで困った問題が起きます。
それが、
『分かりにくい』
という問題です。
これから、『分かりにくい』を解決するため順を追って解説をしていきます。
この記事では便宜上、
円が『決済通貨』の通貨ペア:外貨/円
外貨同士の通貨ペア:外貨/外貨
と表現します。
なぜ分かりにくいのか?
外貨/円の場合、全ての通貨レートが円に換算されます。
現在のドル円レート:107.503円
といった具合です。
分かりやすいですよね!d(´ω`*)
ところが外貨/外貨、例えば『EURUSD』だとこうなります。
現在のEURUSDレート:1.08171
途端に分からなくなりました・・
なんで分からないのか?
それは
レートが『円』に換算されていないから
です。
外貨/円であれば、レートは外貨を円に換算するだけ。
つまり2種類の通貨で換算しているわけですね。
対して、
外貨/外貨であれば、レートは外貨を別の外貨に換算した『交換比率』が表示されます。
日本人であれば円でトレードするわけなので、損益にしろスプレッドにしろ答えは当然
『円』で知りたい
わけですよね。
従って、外貨の交換比率をさらに円に換算する必要があります。
つまり、こういう事です。
外貨/円ではレート表示が円であり、求める答えそのものです。
外貨/外貨ではレート表示は求める答えではありません。
ですから、3種類の通貨で換算する必要があるわけです。
余談ですが、最終的に円に換算するワケなので、円の影響を完全になくすことはできません。
冒頭で、円の影響を『少なくする』『抑える』と表現しているのはこのためです。
レート表示と最小単位の関係
FXでのレートの最小単位といえば、
・円表示では『銭』
・比率表示では『pips』
です。
1銭=1pipsと覚えておいてOKです。
ただしレート表示での最小単位の位置は違います。
例えば、
・買値:1.07005
・売値:1.08197
とした場合、その差は
1.08197‐1.07005=0.01192=119.2pips
円換算で1.2円の変動相当となります。
外貨/外貨の損益計算
では、外貨/円と外貨/外貨で売買を行った場合の
『損益を円表示する計算式』
を比較します。
外貨/外貨の計算は、外貨/円と同様の計算式に『決済通貨の円レート』を掛け合わせることで円表示に変換できます。
計算式
・外貨/円:(売値 - 買値)× 取引数量 = 損益
・外貨/外貨:(売値 - 買値)× 取引数量 × 決済通貨の円レート = 損益
損益計算の具体例
上記の計算式を利用して、実際に『米ドル円』と『ユーロドル』でトレードを行ったと仮定した損益計算をしてみます。
※買いポジションを持つ場合
米ドル円
トレード条件
・買値:106.428円
・売値:107.503円
・取引数量:5万通貨
損益計算
(107.503‐106.428)×50000=53750円
ユーロドル
トレード条件
・買値:1.07005
・売値:1.08197
・取引数量:5万通貨
・売時ドル円レート:107.503円
損益計算
(1.08197‐1.07005)×50000×107.503=64071.788円
ちなみにスプレッドの計算方法は次の通りです。
取引数量は5万通貨、ドル円レート107.503円とします。
米ドル円スプレッド0.3銭
レート換算:0.3銭=0.003円
0.003×50000=150円
ユーロドルスプレッド0.3pips
レート換算:0.3pips=0.00003
0.00003×50000×107.503=161.254円
運用試算の方法
次に、外貨同士の通貨ペアでトラリピ運用する場合の『運用試算の方法』を解説していきます。
運用試算表の使用は口座開設が必要です。
マネースクエアの運用試算表を使用する
マネースクエアの運用試算表では、『対円用』と『対ドル用』が用意されています。
対ドルとは決済通貨がドルの通貨ペアのことですが、
実は対ドル用で、他の決済通貨の試算もできてしまいます。
例えば、『AUDNZD』なら入力と結果はこんな感じ。
AUDNZDトラリピ設定
入力欄最後の『現在のドル円のレートは?』へ、求める通貨ペアの『後ろ側の通貨(決済通貨)の円レート』を記入します。
必要資金は日本円に変換されて表示されます。
ただし、あくまでも『○○ドル』を基準にしているハズなので、あまりにかけ離れたレートなどは想定されていないかもしれません。
表計算ソフトを使用する
次に、表計算ソフトを使用した運用試算の方法です。
手動トラリピでのポジション可変など、様々な事に対応可能です。
基本の対円の運用試算表にプラスして『決済通貨の円レート』を組み込んでおきます。
上記のAUDNZDのトラリピ設定の運用試算表がこちら。
どこでもいいので決済通貨レートを入力する列を基本のシートに挿入します。
『必要証拠金』『最大含み損』『必要資金』がマネースクエアの数値と一致していることがわかりますね。
※ロスカット基準が違うのでロスカットレートは違います。(こちらは100%で算出)
基本の運用試算表から、計算式を変更する個所は
『必要証拠金』『最大含み損』『猶予』
です。
必要証拠金
計算式
必要証拠金=仕掛け値×通貨量×0.04×決済通貨レート
※『0.04をかける』のはレバレッジ『25倍で割る』のと同じ意味です。
最大含み損
計算式
最大含み損=(最低仕掛け値‐仕掛け値)×通貨量×決済通貨レート
猶予
計算式
猶予=(総資産‐必要資金)÷通貨量合計÷決済通貨レート
ロスカットまでの猶予は円で換算された数値をレートに戻さないといけないので、『決済通貨レートで割る』工程が必要です。
まとめ
お疲れ様でした。
この記事では、円高の影響が少ない通貨ペアを使用した損益計算とトラリピの運用試算の方法を解説しました。
外貨同士のレートってパッと見でわからないので、引いてしまいますよね・・
桁数もなんか妙に多いし・・
でも、やってみれば意外と簡単です。
最初だけちょびっとやる気出せばすぐ慣れますよ。
大切なお金を扱うので、ちょっとだけ頑張ってみてください。
外貨同士のトレード方法を覚えれば、通貨ペアの選択肢がグンと広がります!
外貨/円よりも有利に運用できる通貨ペアが見つかるかもしれませんよ。d(´ω`*)
さらに手動トラリピなら、すべての通貨ペアでトラリピが可能になります。
※相関係数を基準にした通貨ペアの選び方はこちら。
賢い読者のみなさまは気付いているでしょうけど、
外貨同士のトラリピでは決済通貨の対円レートが変化するとロスカット値も変化してしまいます。
最初に計算したまんまではありませんので、そこだけ注意が必要ですよ。
それではこの辺で。
外貨同士のトレードを覚えて、あなたの資産を安全に増やしてくださいね!
ヒロセ