どうも。
現物運用したいけどそんなお金はないヒロセです。
FXをやってる人ならほとんどが、こういった言葉を目にしたことがありますよね。
『レバレッジは○倍までに抑えること』
『低リスクでトレードしたいなら低レバレッジ』
『ハイレバレッジはすぐにロスカットされるから危険』
なんとなくわかってはいるけど、
今一つピンときていない人もいるんではないでしょうか?
ポイント
ハイレバレッジはなんで危険なの?
低レバレッジだったら安全なの?
具体的な数字が知りたい
こういった疑問にお答えします。
この記事では、レバレッジの危険性とロスカットの意味について解説します。
ちょっと実感が湧かないって人に対して、
『ハイレバレッジでトレードをしたらどうなるのか?』
『2パターンのレバレッジでロスカットされた場合どうなるのか?』
を具体的な数字として表示しています。
結論から言えば、
レバレッジもロスカットもタダのシステムであり、それ自体が有害であるかのような認識は間違いです。
しっかり理解したうえで、危険を避けてFX運用をしていただきたいと思います。
注意ポイント
当ブログではFX会社による損失ポジションの強制決済を『ロスカット』、自主的な損失ポジションの決済を『損切り』としています。
目次
ハイレバレッジは危険?
このブログでは、
『ロスカットされると資金のほとんどを失う』
と、表現しています。
なぜならば、
レバレッジを抑えた状態からトレードをスタートさせる
ことを前提としているからです。
トラリピや積立などでは、平常時はレバレッジも低く証拠金維持率は高く保たれています。
ところが、意に反して相場が大きく逆行した場合、
レバレッジは上がっていき、証拠金維持率は下がっていきます。
そのまま何もできずに眺めていると、
行き着く先はロスカットです。
トラリピや積立は相場が逆行した場合はひたすら耐える手法です。
『だからこそ』ロスカットのダメージが非常に大きなものになります。
ポイント
レバレッジは、
・高いから危険
・低いから安全
などとそれだけで語れるものではありません。
ロスカット比較シミュレーション
とはいえ、
言葉だけではピンとこない人もいるでしょうから、具体的な数字にしてみましょう。
今回はみんなのFXが提供しているシミュレーションツールを使用します。
※みんなのFXでは、証拠金維持率100%を下回った場合にロスカットされます。
まず、わかりやすいように、
・現在レート:100円
・売買タイプ:買い
・資産額:100万円
と設定したうえで、実効レバレッジシミュレーションをしてみます。
この場合、
数量(1Lot=1万通貨)が実効レバレッジと同じ数字
になります。
※計算式:レート×数量÷資産額=レバレッジ、100×250000÷1000000=25
では、
実効レバレッジを変更してポジションを建てた場合の証拠金シミュレーションをしてみます。
実効レバレッジ2倍
実効レバレッジ=数量『2』を入力して『計算』をクリック。
計算結果
・必要証拠金:80,000円
・ロスカットライン:52.084円
・ロスカット時損失額:‐920,000円
ちょっとだけ補足説明しておきますね。
『100万円の資産』で『レート100円』の時に『2万通貨』買った通貨ペアが、
47.916円下落の末、52.084円になった場合、資産額が必要証拠金と同額になりロスカットされ、
当初は100万円あった資産が8万円になるというワケです。
実効レバレッジ24.9倍
計算結果
・必要証拠金:996,000円
・ロスカットライン:99.984円
・ロスカット時損失額:‐4,000円
比較表
実効レバレッジ2倍 | 実効レバレッジ24.9倍 | |
必要証拠金 | 80,000円 | 996,000円 |
ロスカット | 52.084円 | 99.984円 |
損失額 | ‐920,000円 | ‐4,000円 |
こうなります。
見て分かる通り『ロスカットのされにくさ』と『された場合の損失額』には相反関係があります。
この場合の実効レバレッジはポジションを建てた当初のものであり、
レート下落につれてどんどん大きくなり、25倍を超えた時点でロスカットされます
つまりこういうことです。
レバレッジ2倍
25倍にはなかなか達しないが、達した時のダメージは大きい
レバレッジ24.9倍
すぐに25倍に達してしまうが、達した時のダメージは小さい
ロスカットが『有効に機能した場合』一概に、
ハイレバレッジのトレードが危険とはいえない
ということがわかりますよね。
と同時に、
安全そうに見えるレバレッジを抑えたトレードは、
ロスカットされれば、ほぼ終わり
であることもわかります。
私が、
『ロスカットさえされなければトラリピは勝ち』
と、主張する理由がコレです。
『保有して耐えるタイプの手法』は何が何でもロスカットされてはいけません。
ま、実際問題として、米ドルが100円から52円まで下がることは考えにくいですけどね。(;^ω^)
ロスカットの目的はトレーダー保護
ロスカットされて資金を刈られたトレーダーは多いでしょう。
FX会社を恨んでいる人もいるかもしれません。(;^ω^)
実は私も、ロスカットされ480万円程損失を出した後、
‐0.5円程で相場が反転して悔しい思いをしたことがあります。
しかし、ロスカットは別にトレーダーをいじめるために設けられているものじゃないですよね。
上記したように、
ハイレバレッジではむしろトレーダーを守ってくれます。
なぜならば、
ロスカットで守られる金額は証拠金額の多さに比例するからです。
ハイレバレッジであるほど、証拠金が多く必要になり、ロスカットで守られる金額も多くなります。
『逆指値』での損切り方法すらわからないような初心者が、安心してレバレッジをかけていけるのはロスカットのおかげなんです。
危険なトレードパターン
参考までに、資金を大きく失うパターンをいくつかご紹介しておきます。
低レバレッジを過信している
『レバレッジが低いから安心。』
などと、過信して放置しているといつの間にか含み損が膨らんでいる事もあります。
そのポジションにスワップポイントがつくならそのままホールドして受け取るのもアリです。
が、もしもマイナススワップなら・・
含み損の回復を待っている間にも、どんどんと資産が減っていきます。
一度付与されたスワップはレート変動の影響を受けません。
つまり、マイナススワップで失った金額は確定損であるということです。
ロスカットが機能しない
もし、何らかの原因でレートが急変動した場合、ロスカットが遅れたりそもそも機能しない場合があります。
株の世界では『ボロ株の1円抜き』などで売り注文を入れていても一向に売れないなんてよくあることです。
なぜならば、買う人がいなければ売れないからです。
為替でもこういったことがたまに起こります。
いわゆる『フラッシュクラッシュ』などと言われる状態です。
ちょっとこのチャート見てください。
チャートで確認できる範囲で1.20から0.97まで、実際には0.86付近まで3000pips以上が30分程で下落しました。
コレが悪名高き?『スイスショック』と言われているものです。
この下落が起きる前は、スイス政府が、
『ユーロスイスを1.2以上に保つため無制限に為替介入を行う』
と宣言していて、レート1.2が『絶対サポートライン』として存在していました。
そこに目をつけたトレーダーが、
1.2付近で買い、少し上げたら売る
といった行為を繰り返していたところ、突然スイス政府が介入中止を宣言したんです。
当然のようにパニック売り一色でロスカットが機能せず、ハイレバレッジをかけていたトレーダーの多くは、
借金を抱えることになりました。
大事なことなので繰り返します。
『ハイレバレッジのトレードが危険とはいえない』
のはロスカットが正常に機能する場合に限ります。
海外業者に全資産を突っ込む
海外のFX会社は日本の法律が適用されないため、
・レバレッジ数百倍
・ロスカットなし
といったトレードが可能です。
その場合、『ゼロカット』というシステムがあれば、もし口座残高がマイナスになっても保護されます。
つまり、
ロスカットされずに借金を背負う
といった事がありません。
しかし、ハイレバレージでトレードして負けた場合、
あっという間に口座の資金は『0』になります。
何も考えずに海外口座に全資産を入金してしまうと、
全てを失う可能性がある
ということです。
海外口座でハイレバトレードする場合は、
入金額=損切り許容額
とすることが重要です。
まとめ
お疲れ様でした
この記事では、2パターンのレバレッジでロスカットされた場合の具体的数値の比較と、危険なトレードの例を解説しました。
・ひたすら耐える手法ではロスカットのダメージが非常に大きい
・ロスカットのされにくさと、された場合の損失額には相反関係がある
・ロスカットが機能する場合、ハイレバレッジのトレードが危険とはいえない
・レバレッジを抑えたトレードはロスカットされれば終わり
・ロスカットさえされなければトラリピは勝ち
・保有して耐えるタイプの手法はロスカットされてはいけない
・ロスカットで守られる金額は証拠金額の多さに比例する
・低レバレッジを過信して放置するのは危険
・ロスカットが機能しなければハイレバレッジは危険
・海外口座でハイレバトレードする場合は、入金額=損切り許容額
以上、こんなところです。
冒頭でも言ったように、レバレッジもロスカットもタダのシステムです。
システムである以上『こうなればこうなる』といった明確なロジックがあります。
ロジックを理解することで、リスクを避けリターンを受け取ることができますよ。
システムやツールなどは人が便利に使えるように発達したものです。
例えば包丁や車を思い浮かべてみてください。
『切れるから危険だー』
『ぶつかったら危ないっ』
なんて言ってたら使えませんよね。(;^ω^)
昔のエライ人が言った名言に
『鉄は人間を殺さない』
といった言葉もあります。
要は、なんであれ使う人次第ってことです。
それではまた。
しっかり考えてシステムを使いこなしてくださいね!
ヒロセ