こんばんは。
ヒロセです。
私が思うに、本来トラリピというものは 損切りしなくていいように設定するものだと考えています。
がしかし、投資というものは自分の思い通りにはならないものです。
なんらかの事情で損切りしなければいけないときもあるでしょう。
今回はトラリピで損切りするとき、どのようにすればいいのかを考えてみたいと思います。
目次
トラリピで損切りが必要になる場面とは
冒頭でもいったようにトラリピという手法は損切りすることを想定してはいません。
建てたポジションは保有し続けて、スワップポイントを受け取るのが正解です。
ただし、それでも当初の想定から外れることはあり得ますよね。
その時になって慌てないよう、いざという時の具体的な行動を考えておくといいですよ。(*´ω`*)
想定レンジから外れた場合
相場が予想以上に変動して想定レンジから外れた場合、当然トラップは発動しなくなります。
トラリピでは想定レンジ内でレートが上下することを想定して設定をするため、レンジから外れるのは、まさに『想定外』というわけです。
こうなると利益が発生しなくなるのでトラップを仕掛けなおさなければいけません。
例えば、南アランド円を7.5円~8.0円の間でトラップを仕掛けるとすると、7.5円、8.0円それぞれのラインからはみ出た矢印の部分ではトラップが発動せず利益が発生しません。(機会損失)
機会損失を避けるため、矢印の部分でも利益を得ようと思ったらトラップ設定をやり直す必要があります。
そうすると資金に対して含み損が多くなり過ぎる場面がでてきます。
その場合、資金を増やすか既に保有しているポジションを減らす必要があります。
なぜか?
それは
ロスカットの危険を避けるため
です。
多くの場合、資金を新たに追加するのは無理な場合が多いです。(それができれば苦労しませんよね)(;^ω^)
ですから、既に保有しているポジションを減らす(損切り)しかありません。
含み損が多くなり過ぎる場面とは
・『買い』でエントリーしている場合は、想定レンジ下限からの下落時。
・『売り』でエントリーしている場合は、想定レンジ上限からの上昇時。
になります。
資金量に対して含み損が増えすぎると、なにが起きるかというと『証拠金維持率が下がって』きます。
証拠金維持率がFX会社が定めた一定のところまで下がると問答無用でロスカットされます。
ロスカットされると資金のほとんどを失い、FX相場からの退場ということになってしまいます。
大事なことなので繰り返し言いますが、ロスカットを防ぐためには、
資金が増やせないなら『ポジションを一部決済して損失を確定』しなければいけません。
含み損を抱えたポジションを一部決済して損失を確定させることがいわゆる『損切り』という行為です。
損切りありきで資金効率を上げたい場合
最初にいっておきますが個人的にはあまりお勧めできませんw
しかし、最初から十分な資金を用意できない人が短期間にリターンを多く上げたいと考える場合、トラリピならそういう設定も可能です。
ハイリターンを狙うならハイリスクを負えばいいだけです。
その際の設定とは
・想定レンジを狭く設定する。
・想定レンジ内にトラップを多く仕掛ける。(トラップ幅を狭くする。)
・トラップ1本あたりのポジション量を多くする。
すると、想定レンジ内でレートが動く限り資金効率は上がります。
ただし、
想定レンジを狭く設定したことで当然、レートがレンジから外れる可能性も高くなるワケです。
ですので、どれだけの損失を許容するつもりなのかを最初にしっかり決めて、そこに達したら潔く損切りすることが必須です。
例として、
『レートが〇〇円まで下がったら、資金の〇〇%を上限としてポジションをできる限り減らす。』
など、具体的な行動を決めておくことが大事です。
損切り注文をする際に注意するべきこと
マネースクエアでは同一レートで損切りされる
マネースクエアでトラリピを発注する場合、損切り(ストップロス)も同時に入れられますが、その際すべてのポジションで同一レートが適応されます。
出典:マネースクエア HPより
これは運用試算表に私が任意で入力した設定です。
赤で囲った部分がストップロス設定になります。
この際レンジ上限から下限に達した場合、25本のトラップを0.1円刻みに保有することになります。
そしてレートが6.45円に達したとき、25本すべてのトラップの合計1,250,000通貨が一気に決済されます。
この場合の損失額は-1,562,500円となります。
ちなみに自動ロスカットされると-2,200,000円の損失となります。(;^ω^)
最初にそれぞれのトラップ個別にストップロス設定(損切り設定)を入れることはできないので注意が必要です。
※個別にストップロス注文を入れたいなら発注後に修正をすることは可能です。
損切りは上からか下からか
それぞれのトラップを個別に損切りする場合、レンジの上から切るのか下から切るのかどっちがいいのか考えてみます。
損切りでは時価残高は変わらない
結論から言いますと、レートが変動しない限り、
どこからどれだけ切っても『時価残高』は変わりません。
※時価残高=有効証拠金(このあたりの呼び方はFX会社によっても変わります。)
例えば、ランド円を10円から0.1円ごとに1万通貨づつ買い下がって現在9円になったとします。
保有ポジションレート | 含み損 |
10.0 | -10000 |
9.9 | -9000 |
9.8 | -8000 |
9.7 | -7000 |
9.6 | -6000 |
9.5 | -5000 |
9.4 | -4000 |
9.3 | -3000 |
9.2 | -2000 |
9.1 | -1000 |
この場合の含み損の合計は-55000円になります。
総資産が100000円だとすると時価残高は、総資産100000円-含み損55000円で45000円となります。
では、ここから保有ポジションを3万通貨減らす場合を計算してみましょう。
とりあえず損失の大きい上の方を3本切ってみます。
損切りポジション(合計3万通貨) | 確定損 |
10.0 | -10000 |
9.9 | -9000 |
9.8 | -8000 |
保有ポジションレート | 含み損 |
9.7 | -7000 |
9.6 | -6000 |
9.5 | -5000 |
9.4 | -4000 |
9.3 | -3000 |
9.2 | -2000 |
9.1 | -1000 |
この場合の含み損の合計は-28000円、確定損合計は-27000円になります。
総資産が100000円-確定損合計27000円=73000円だから
時価残高は、総資産73000円-含み損28000円で45000円となります。
損切りとは含み損を確定損にするということなので、『含み損を減らす=確定損が増える』ということです。
このようにポジションを減らそうが減らすまいが時価残高は変わらないということになります。
確定損を少なくポジションを減らす
どこを切っても時価残高が変わらないなら、出来るだけ
『資金を減らさずにポジションを減らす』
ことを考えるべきです。
まずはどれだけの損失額を許容するかを設定して、上から切った場合と下から切った場合を比較してみます。
ここでは損切りの限度額として1万円とします。
すると、結論として
上から切った場合は1万通貨しかポジションが減らせないのに対して、
下から切った場合は4万通貨減らせます。
損失の大きいポジションから1万円分切る場合
損切りポジション(合計1万通貨) | 確定損 |
10.0 | -10000 |
保有ポジションレート | 含み損 |
9.9 | -9000 |
9.8 | -8000 |
9.7 | -7000 |
9.6 | -6000 |
9.5 | -5000 |
9.4 | -4000 |
9.3 | -3000 |
9.2 | -2000 |
9.1 | -1000 |
・損失確定:10000円
・トータル保有ポジション量:10万⇒9万
損失の小さいポジションから1万円分切る場合
保有ポジションレート | 含み損 |
10.0 | -10000 |
9.9 | -9000 |
9.8 | -8000 |
9.7 | -7000 |
9.6 | -6000 |
9.5 | -5000 |
損切りポジション(合計4万通貨) | 確定損 |
9.4 | -4000 |
9.3 | -3000 |
9.2 | -2000 |
9.1 | -1000 |
・損失確定分:10000円
・トータル保有ポジション量:10万⇒6万
10万通貨あったポジションが6万通貨になれば、
そこからの下落にも相当耐えられるのではないでしょうか?
ポイント
トラリピの損切りは下からが基本!
まとめ
今回はトラリピで損切りをする場合を想定して話をしてみました。
できるならば、損切りなど考えずに済めば越したことはないのです。
しかし、相場というものはどう変化するのかわからないものです。
いざという時に慌てないために自分がどう動くのかシミュレーションしておくのもいいと思います。
※損切りする場合の具体的な方法はこちらからどうぞ。
それではこの辺で。
あなたの口座がロスカットなどされないよう願うばかりです。
ヒロセ