どうも。
ヒロセです。
トラリピを始めようと思った時に悩むことの筆頭といえば、『利確幅どうしよう・・』ってことなんじゃないでしょうか?
どれくらいの利確幅なら効率よく儲けられるのかは、バックテストで検証するのが一番です。
しかし、『なぜバックテスト結果が違うのか』考えたことありますか?
ポイント
トラリピで効率よく儲かる利確幅が知りたい
利確幅でバックテスト結果が違う理由は?
通貨ペアが違うとどう違うんだろう?
このような疑問にお答えします。
この記事では、バックテスト結果を参照して利確幅の具体的な決め方を解説します。
通貨ペアを変更しながら、スプレッドが利回りに及ぼす影響を検証していきます。
この記事を読めば、あなたのトラリピ運用に最適な通貨ペアと利確幅が見つけられるようになりますよ。
ポイント
・この記事ではトラップ幅=利確幅と仮定します。
・記事中のスプレッドは手動トラリピを前提としています。
目次
スプレッドからみたトラリピの利確幅の決め方
利確幅を決める時に考えることは、
どれが一番儲かるのか?
ってことだと思います。
結果から言うと、『利回りを上げるための利確幅の決め方』はこのようになります。
利確幅の決め方
利確幅に対するスプレッドの割合を5%以下にする
以下、利確幅に対するスプレッドの影響をより深く考えていきます。
利確幅変更の検証結果
というわけで、以前に南アランド円を検証した時の表を貼っておきますね。
利確幅 | 純益 | 総利益 | 総損失 | 決済回数 |
0.05円 | 543018円 | 606913円 | -63894円 | 1843回 |
0.1円 | 557171円 | 616073円 | -58902円 | 478回 |
0.2円 | 633506円 | 682926円 | -49420円 | 140回 |
0.3円 | 624514円 | 665429円 | -40915円 | 62回 |
0.5円 | 698358円 | 727887円 | -29528円 | 26回 |
0.75円 | 543872円 | 567852円 | -23980円 | 9回 |
※テスト期間:2012年1月1日~2019年7月31日
もちろん、利確幅に応じて1本あたりの通貨量を調節して、トラップ全て成立時の総通貨量は同じです。
総通貨量が同じとは
例えば、10円の下落を想定して総通貨量10万通貨のトラップを幅を変えて並べるとします。
利確幅1円:1万通貨×トラップ10本=総通貨量10万通貨
利確幅2円:2万通貨×トラップ5本=総通貨量10万通貨
ってことです。
表を見る限り、それほど差がつくわけではないことがわかりますよね?
利確幅0.05~0.1円といった割と狭いところでは
『スプレッドの影響が強く出ている』
ために純益は少なくなっています。
対して、南アランド円のレート8円に対して10%近くにもなる利確幅0.75円では
『機会損失の影響がある』
ようです。
利確幅0.2~0.5円の範囲では、タイミングやテスト終了時のレートの影響で多少の差が生じたように感じられます。
0.2円から0.3円で一旦利益が落ちて0.5円でまた上昇したワケですので、明確な法則性などは見受けられません。
で、あれば、
・スプレッドの影響が出るほどの狭い領域
・機会損失の影響が出るほどの広い領域
を避けていれば、利確幅は好みで決めていいんではないでしょうか?
米ドル円に換算したら?
ピンとこない人もいるかもしれないので、米ドル円に換算してみます。
ランド円のそれぞれの利確幅を『米ドル円のレート110円時に換算』すると次のようになります。
南アランド円:レート8円 | 米ドル円:レート110円 |
利確幅0.05円 | 利確幅0.6875円 |
〃0.1円 | 〃1.375円 |
〃0.2円 | 〃2.75円 |
〃0.3円 | 〃4.125円 |
〃0.5円 | 〃6.875円 |
〃0.75円 | 〃10.3125円 |
ちょっと質問
トラリピ運用で、米ドル円の利確幅を7~10円狙う人っていますか?
いませんよね?しかもトラリピのトラップ1本ですよ?
つまり、トラリピで利確幅を広げることによる機会損失は考えなくていいってことです。
なぜならば、『そんな人はいない』からです。
利確幅に対してのスプレッドの割合を下げるには利確幅が広ければ広いほど有利です。
が、いくらなんでも7~10円ってのはやり過ぎというワケです。
ということで、トラリピの利確幅を設定するうえで、重要視するべきはこうなります。
ポイント
利確幅に対してのスプレッドの割合を極力減らすこと
利確幅に対するスプレッドの影響
利確幅を設定するときには、スプレッドの割合を減らせばいいことがわかりました。
じゃ、『どれくらいまで減らせばいいの?』って話ですよね。
ではまず、スプレッドの影響が強く及ぶ範囲っていうのを特定していきましょう。
スプレッドというものは買値と売値の差ですので、トラップが利確するためには、
トラップが成立してから利確幅+スプレッドの値動きが必要になります。
上記の表では、南アランド円の利確幅0.05~0.1円のエリアで『純益が低く』なっていますよね。
このエリアでの利確する値動きを計算しましょう。
テスト時のスプレッド設定が1銭なので、利確のために必要な値動きは、
・利確幅0.05円:5銭+1銭=6銭
・利確幅0.1円:10銭+1銭=11銭
ということになります。
この場合の値動きに対するスプレッドの割合を計算してみると、
・利確幅0.05円:1÷6≒0.17=スプレッドの割合17%
・利確幅0.1円:1÷11≒0.09=スプレッドの割合9%
となります。
注意ポイント
ランド円利確幅0.05円では17%、0.1円では9%が『手数料』として取られている
そりゃー純益も低くなるってもんですわ・・(;^ω^)
ちなみに
比較表で遜色のない純益が出ている『利確幅0.2円』ではこの割合は約4.8%となります。
従って、利確幅に対するスプレッドの割合を5%以下に抑えることを目標にします。
利確幅の目標
利確幅に対するスプレッドの割合=5%以下
米ドル円の最小の利確幅を計算します
さて、手数料を5%以下を目標にすると決まりました。
これで、どんな通貨ペアでもスプレッドの影響を避けた利確幅が設定できますね。
これ以上利確幅を狭くすると、手数料が5%以上になってしまう最小のラインがスプレッドから計算できます。
ここでは例として、米ドル円でトラリピをする場合の『最小の利確幅』を計算してみましょう。
スプレッドは0.3銭とします。
この場合の計算式は次のようになります。
米ドル円最小の利確幅
0.3÷(利確幅+0.3)=0.05
利確幅=0.3÷0.05-0.3
利確幅=5.97銭
つまり、スプレッド0.3銭の時に手数料の負担を5%以下に抑えるためには、
利確幅を0.0597円以上に広げることが必要
ということです。
通貨ペアごとに狙い目の利確幅は違う
上記したように、利確に対しての手数料の割合を5%以下に抑えるのなら、各通貨ペアの利確幅は、
・南アランド円:0.2円以上
・米ドル円:0.06円以上
に設定しなければいけないことが判明しました。
利確幅が違うとどうなるのか
この両通貨ペアの利確幅で運用した場合の『最大の違い』とは、
1回の利確にかかる時間
です。
・南アランド円はレート8円に対しての0.2円
・米ドル円はレート110円に対しての0.06円
なので当然ですね。(;^ω^)
では、どのくらいの時間で利確するのかざっと計算してみます。
南アランド円の利確時間
バックテストを参照すると、南アランド円0.2円の組み合わせでは、期間中の決済回数は140回です。
およそ7年8ヵ月、92ヵ月での数字です。
すると、1回の利確にかかる時間は、
140÷92≒1.5
というわけで、平均して1.5ヵ月に1回利確するということになります。
この期間は私が南アランド円を運用してきた実感とほぼ一致します。
結構長いですよね・・(;´・ω・)
ポイント
ランド円を、手数料を5%以下に抑えてトラリピ運用するためには、利確に1.5ヵ月かかる
米ドル円の利確時間
さて、米ドル円なんですが、
レート110円の通貨ペアが0.06円変動する
というのがどんなイメージなのかちょっとピンときませんよね・・(;´・ω・)
というわけで、0.06円のレート変動をチャート上でわかりやすく表現してみました。
これは米ドル円の5分足チャートです。
横軸の時間が1セル50分、縦軸のレートが1セル0.01円です。
コレを参照すると、2時間ほどで0.06円のレート変動が起こっていることがわかります。
ということは、単純計算で往復4時間です。
よって、1回の利確にかかる時間は4時間くらいとなります。
ポイント
米ドル円を、手数料を5%以下に抑えてトラリピ運用するためには、利確に4時間かかる
これらのことから言えることは、『米ドル円での手動トラリピ』では、
手数料を5%以下に抑えた最小のトラップ幅なら、
1日に何度も利確する運用が可能
ということです。
コレ、ちょっと楽しそうじゃないですか?(*´ω`*)
トラリピは退屈だという概念が変わりそうですね♪
それぞれのメリットデメリット
ここまで、南アランド円と米ドル円で、
手数料の影響を抑えた手動トラリピ運用
をする前提で利確幅と利確時間を計算してみました。
ずいぶんと違う結果がでましたね~(*´ω`*)
じゃ、ここからはそれぞれのメリットデメリットを踏まえて、
『どう利用していけばいいのか』
を考えてみましょう。
南アランド円
南アランド円の最小の利確幅は0.2円。
利確にかかる時間はおよそ1.5ヵ月です。
メリット
・手間がかからない
・手動でのリピート注文忘れが起こりにくい
・待ってる間にスワップポイントが貯まる
・利確した場合の利益が大きい
デメリット
・退屈過ぎる
・稼いでいる実感が少ない
・種銭の増え方が階段状で複利運用がしにくい
米ドル円
米ドル円の最小利確幅は0.06円
利確にかかる時間はおよそ4時間です。
メリット
・楽しい
・稼いでいる実感が強い
・種銭がなめらかに増えていくので複利運用しやすい
デメリット
・手間がかかる
・手動でのリピート注文を忘れる可能性がある
・スワップポイントは期待できない
・1回の利確額が少ない
どんな人に向いているのか
それぞれの通貨ペアで、手動トラリピする場合のメリットデメリットはこんな感じです。
では、それぞれをどう利用すればいいのか、どんな人に向いているのかを考えます。
南アランド円
向いている人
・忙しい人
・利益最重視の人
・積み重ねを楽しめる人
・じっくりと待てる人
・取りこぼしをしたくない人
南アランド円の手動トラリピはとにかく時間がかかるという印象です。
しかし、これは儲からないというわけではないんです。
むしろ、スワップポイントは毎日入ってきますし、一回の利確額もデカいので期間あたりの利益はしっかり上がります。
ここらあたりを理解して、じっくりと取り組みたい人にオススメなのが南アランド円の手動トラリピです。(*´ω`*)
ま、実際に扱ってる私が思っていることですが、ぶっちゃけ暇ですけどね。
でも私はケチですので、どれだけ儲かるのか?を最重視します。
FXの面白さ<金
って感じです。d(´ω`*)
米ドル円
向いてる人
・時間に余裕がある人
・利益+楽しみを求める人
・利益が出る様子を確認したい人
・とにかくせっかちな人
米ドル円を最小利確幅でトラリピ運用すると、1日に何度も利確していくと思います。
FXしてる人ならわかると思うんですが、とにかく利確ってうれしいんですよね!(*´ω`*)
このうれしさを何度も体験したい人にとっては米ドル円の手動トラリピが最適なんではないでしょうか?
とにかくレートに対してのスプレッドが狭いので、南アランド円とは比べ物にならないくらいの高回転でトラリピができます。
確かに忙しいとは思いますが、利確がうれしいので手動でのリピート注文も楽しい作業になるんではないでしょうか?
寝る時はどうすんの?って話ですが、その時はリピート注文は一旦放置して、利確幅のちょっと広いイフダン注文を置いておけばいいでしょう。
朝起きた時に、保有していたポジションが利確していたらなお嬉しいですよね!d(´ω`*)
まとめ
今回は南アランド円と米ドル円を例に挙げて、利確幅でどう手動トラリピの運用が変わるのかを検証しました。
利確幅に対してのスプレッドの割合を計算することによって、どんな通貨ペアにも応用できますよ。
今回改めて思ったことが、米ドル円の手数料の少なさです。
もちろんスワップポイントも少ないんですけどね・・(;^ω^)
このことが何を意味するかってのは、『回転の速さ』です。
米ドル円なら利確幅を狭くしてデイトレ感覚でトラリピ運用ができます!
当然、利確幅を狭くするに従って手数料も増えるわけですが、その負担がとにかく小さいです。
私はずっと高金利通貨での買いトラリピで運用してきましたが、私が買いトラリピで推す通貨ペアは高金利2通貨と米ドル円です。
その理由が運用コストの安さです。
※トラリピ向きの通貨ペアの話はこちらからも読めます。
もちろん、組み合わせて運用していいとこどりを狙うのもありですね♪d(´ω`*)
是非、自分の性格や状況に適した通貨ペアを選択して効率よく儲けていただきたいと思います。
それでは今回はこの辺で。
あなたに安定した利益がもたらされるよう願っております。
ヒロセ