どうも。
楽なFX運用研究家のヒロセです。
自動、手動に限らずトラリピなどのリピート系売買って、
含み損にひたすら耐える手法
ってイメージがありますよね。
なんなら私だって、毛が抜け落ちるくらいの多額の含み損を抱えています・・(ヽ''ω`)ゲッソリ
ということは、
どれだけレートが変動しようと耐えられる資金
がないと、トラリピ運用は危険なんでしょうか?
しかも含み損に耐えてる時って、資金は引き出せません・・
なぜならば、
証拠金維持率がさらに下がってしまう
からです。
しかし、
『十分な資金を口座に持っていて、そこから出る利益だけで余裕で生きていける』
って人はそんなにいませんよね。
じゃ、
あんまりお金はないけど、トラリピで儲けていきたい
としたら、どうしたらいいんでしょうか?
ポイント
損切りしたら負けなんだよね・・
耐え続けるのと損切りするのとどっちが得なの?
このような悩みにお答えします。
この記事では、トラリピ運用で、損切りせずひたすら耐えるのか、たまに損切りや仕切り直しをした方がいいのかをバックテスト検証しています。
もちろん、資金量や考え方により運用の答えは無限にあります。
しかし、トラリピ運用で、
・ひたすら耐える
・たまには損切りをする
ことで、どうなるのかを知っておくことは大切です。
知っておけば、自分に向いた方法を選べますよね!d(´ω`*)
いつも言っていることですが、理解が大切です。
しっかりと理解して自分に合った方法を選び、ストレスなく儲けていっていただきたいと思います。
メモ
OANDA Japan デモ口座でのバックテストは結果にスワップが反映されません。
スワップを含めたテスト結果が知りたいのなら、スワップ額を指定して算出するツールが公開されているので、そちらを参照してください。
ツールの使用方法はこちら。
目次
失敗しないトラリピ運用
そもそもの話、
トラリピの失敗ってどういうことでしょう?
トラリピの失敗?
・損失方向のレンジ抜け
・損切り発動
・ロスカット
こんな感じで考えている人も多いでしょう。
しかし、
ポイント
『レンジ抜け』『損切り』『ロスカット』にあったとしても、それ以上に儲かっていれば全く問題ありません。
つまり、トラリピの本当の失敗とはこういうことです。
真の失敗
最終的に損すること
トラリピに限らず、FXってのはお金を儲けるためにやるわけですから、
最終的にお金が減っていればそれは失敗なんです。
そこで気になるのが、トラリピ運用の場合、
・想定レンジを広く設定しどんな状況でもひたすら耐える
・想定レンジを狭くして利回りを上げ、想定外の事態では損切りをする
この2パターンでは、
どちらが失敗しないのか?
ってことではないでしょうか。
とにかく我慢か損切りか
トラリピ運用する通貨ペアって、事前にチャートを見て決めますよね。
そのチャートが、
長期なのか短期なのか
によって想定レンジも変わってくるわけです。
というわけで、今回は、
1:長期チャートで損切りせずに耐える
2:短期チャートで損切りせずに耐える
3:短期チャートでレンジ抜けで損切りする
この3パターンでテストを行います。
損切り発動の条件は、次の通りとします。
損切り条件
・短期チャートでレンジ抜けから1円逆行で全てのポジションを決済
・決済後、元本割れが無ければそのままの設定で運用再開
テスト手順
・3~5年程度の短期チャートで、レンジの狭そうな通貨ペアを選ぶ
・選んだ通貨ペアの9年間の長期チャートを表示する
・長期チャートの想定レンジをカバーできる必要資金合計を計算する
・両方のチャートで同様の資金でハーフ&ハーフ運用した場合のバックテストを行う
・短期チャートでは損切りを行った場合を想定したバックテストも行う
※通貨ペアは円建てのみから選択
まずは3~5年間で、良さそうな通貨ペアのチャートを選び、想定レンジを決めます。
短期チャート
今回選択した通貨ペアはスイスフラン円です。
期間チャートのほぼ全てのレートの動きをカバーできるように、レンジを想定します。
想定レンジを上下半分に分け、下半分を『買いゾーン』、上半分を『売りゾーン』に設定します。
・チャート期間:2017年1月1日~2020年10月末
・全レンジ:108~118
・買いゾーン:108~113
・売りゾーン:113~118
長期チャート
長期チャートの始点はFXTFのヒストリカルデータの最古地点としています。
・チャート期間:2012年1月1日~2020年10月末
・全レンジ:80~136
・買いゾーン:80~103
・売りゾーン:103~136
損切りは短期チャートの高値119円、安値107円に設定しますが、
損切り無しの場合よりもロットを落とし、ロスカットまでの余裕を増やします。
ロットを調整する理由は、
ロスカットレートよりも損切りレートの方が有利な位置にないと意味がないからです。
運用試算表の必要資金合計で運用することを想定すると、
レンジ端でロスカットされる試算になります。
ロスカットを避けるために損切りをして、
ロスカットした場合よりも損失が出たらおかしいですよね。(;´・ω・)
運用資金額の算出
想定レンジが決まったら、
運用試算表に、最も証拠金が必要な『長期チャートの売りゾーン設定』を入力して必要資金額を調べます。
トラップ幅は全て共通の1円とします。
運用試算表の使用は口座開設が必要です。
長期チャート売り設定での試算結果はこうなりました。
マネースクエアではフラン円の取り扱いはないですが、円建てならどの通貨ペアを選んでも結果は同じです。
試算結果
・必要資金の合計:563,760円
・すべて成立時の証拠金:157,760円
・すべて成立時の評価損:‐406,000円
必要資金の合計を、運用予定額とする前提なので、
レンジ上限の136円を超えた瞬間にロスカットされることになります。
運用を始めてから最悪の事態を想定するとこうなります。
最悪の事態
1度も利確することなく一気にレンジ抜け
この場合、
563,760円の資金のうち‐406,000円が確定され、
残るのは157,760円ということです。
必要資金の合計に合わせて短期ロットを設定
長期チャートでの必要資金が算出されたので、
短期チャートで同様の必要資金になるように、
試算しながらロットを調整していきます。
必要資金の合計を長期の場合に近づくように、ロットを0.1から1.3まで上げています。
長期の場合と同じように、想定レンジを抜けた瞬間にロスカットされます。
試算結果
・必要資金の合計:563,160円
・すべて成立時の証拠金:368,100円
・すべて成立時の評価損:‐195,000円
短期の場合、ロスカット上限は118円と大幅に不利になりますが、
ロスカットされた場合の損失額は‐195,000円となり、
残る金額は368,100円となります。
※運用予定額と必要資金合計の誤差はわずかなので無視しています。
ロットを調整してストップロスを設定
次に、短期設定でロスカットレートが有利になるようにロットを下げ、
想定レンジから1円離れたところに損切り(ストップロス)設定を入れます。
損切り設定をしたので、ロスカットの120.093円に達する前に119円で損切りされます。
試算結果
・ストップロス損失額:‐210,000円
・すべて成立時の証拠金:283,200円
損切り発動の場合、
運用予定額の563,760円から‐210,000円が引かれ、
353,760円が残ります。
損切り設定により、
証拠金の283,200円以上が保護されるというワケです。
テスト結果
運用を想定するチャートと運用試算表だけでも、大体の傾向はつかめます。
でも、やっぱりもし運用したらどうなるのか気になりますよね。
3パターンのバックテスト結果をごらんください。
長期損切り無し
テスト結果
・必要資金:563,760円
・総利益:547,270円
・純益:525,033円
・総利益年利:10.99%
・純益年利:10.54%
※年利=利益÷必要資金×100÷期間月数×12
短期損切り無し
テスト結果
・必要資金:563,760円
・総利益:1,848,782円
・純益:1,831,076円
・総利益年利:85.55%
・純益年利:84.73%
短期損切りあり
テスト結果
・必要資金:563,760円
・総利益:1,092,800円
・純益:853,590円
・総利益年利:50.57%
・純益年利:39.50%
比較表
各テストの比較表がこちらです。
短期損切り後の純益でも、
長期損切り無しよりもはるかに優れているのがわかります。
短期損切り無しの年利が抜群なのは、
想定レンジからはみ出さないことが事前にわかっている
からできる設定だからです。
つまり、トラリピのバックテストってのは後出しじゃんけんみたいなもので、
設定の比較程度の参考にとどめておいた方がいいでしょう。
今回のテストの場合、
短期のチャートがめっちゃトラリピ向きだったこともあり、
コレだけの差がつきました。
しかし、
ポイント
レートがどれだけ変動しても我慢する設定よりも、
ある程度の利回りが期待できるレンジに資金を集中させて、
機会があるごとに設定を見直す方が、いい結果が残せるのではないでしょうか。
トラリピの見直しタイミング
今回のテストでは、損切りされた場合の結果でしたが、
トラリピを見直すのならハーフ&ハーフで中央値に来た時が理想です。
ハーフ&ハーフなら、
このように、売りと買いの間にレートが達した場合、含み損は無くなります。
こうなったら、
それまでの運用で得た利益のみが残る
という最高の状態ですよね!d(´ω`*)
この時にさらに有利に運用できそうな通貨ペアがあれば、
乗り換えるのも全然アリです!
例えばこんな感じ。
コレはUSDCHFの5年間のチャートですが、レートがかなりお安くなってますよね!
しかも買いポジションをホールドすれば、プラススワップだってもらえます。
この地点からさらに下に、レンジ中央までの幅程度の余裕を持たせれば、
相当安心して運用できるんじゃないでしょうか?
なんなら、損切りした時に全ての資金を引き揚げて、
有利な通貨ペアに投入するのもアリですよね!d(´ω`*)
まとめ
お疲れさまでした。
この記事では、トラリピ運用で、損切りせずひたすら耐えるのか、たまに損切りや仕切り直しをした方がいいのかをバックテスト検証しました。
いや~、チャートがピタリとはまったのか想像以上の差がつきましたよね!
トラリピといえどもFXである以上、予想外のことに備えておくべきです。
想定レンジを狭くして資金を集中すると、ロスカットになりやすくなるのはわかりますよね。
ただその場合でも、必要証拠金が多いため、守られる額もその分多くなります。
あまりにも損切りやロスカットに合ってばかりでもダメですけどね。(*´ω`*)
要するにバランスが大事ってことでしょう。
こういうことってやっぱり検証しないとわからないんです。
であれば、
検証できる環境があるのとないのとでは、明確に差がついてくるんではないでしょうか。
それではまた。
トラリピのような単純なロジックでもまだまだ調べる余地がありますよね!
ヒロセ