どうも。
ヒロセです。
トラリピで運用する通貨ペアを選ぶ目安の1つとして『スワップポイント』がありますよね。
スワップポイントの元になる政策金利が高い国の通貨、
いわゆる『高金利通貨』をトラリピしても大丈夫なんでしょうか?
ポイント
![](https://gyakuehu.com/wp-content/uploads/2019/06/567880-60x60.jpg)
高金利通貨の特徴は?
トラリピ運用しても大丈夫?
運用の注意点は?
このような疑問にお答えします。
この記事では、高金利通貨の特徴とトラリピ運用する場合の注意点について解説します。
高金利通貨の特徴を理解して、傾向と対策を考えておくと、いざという時の損失を抑えることができます。
いい面だけに飛びつくと、痛い目を見る可能性が高くなりますよ。
是非、十分な備えをしたうえで、高金利通貨の恩恵を存分に受けていただきたいと思います。
注意ポイント
この記事の数値情報は記事執筆時2019年9月のものです。
トレードの際には最新の数値情報を確認していただきますようお願いいたします。
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目次
高金利通貨のトラリピ運用は大丈夫なのか
結論からいいますと、次の2点を守れば大丈夫です。
守るべきポイント
・実質金利がプラスであること
・無茶な設定をしないこと
なぜならば、トラリピで利益が出ている限り、
『通貨の下落スピードより、資金の増加の方が速い』
からです。
トラリピって何って人はこちらの動画をご覧ください。
さらに詳しくはこちら。
ランド円バックテスト結果
さらにいうならば、下落局面にあってレートが戻っていない期間のバックテストでも儲かる結果が出ています。
図は『ランド円』の長期月足チャートと、期間中トラリピ運用した場合のバックテスト結果です。
大きく下げている期間は含み損が膨らんでいますが、レート上昇時には完全に戻していないにもかかわらず、含み益すら出ています。
高金利通貨とは
高金利通貨とは、政策金利(中央銀行が金融政策の手段として操作する金利)など金利水準が高い国の通貨を指します。
自国を基準にしてある国の金利が高いか否かの比較になるため、「高金利」の認識は国によって異なります。
低金利である日本からみると他の多くの国の通貨は高金利になりますが、一般的には、先進国ではオーストラリア・ドルやニュージーランド・ドル、新興国ではメキシコ・ペソ、トルコ・リラ、南アフリカ・ランドなどが挙げられます。
残念ながら、現在(2019年9月時点)でのオーストラリアドル、ニュージーランドドルは共に1%であり、高金利通貨ではなくなってしまいました。
なので、今回は新興国の高金利通貨である
『メキシコペソ』
『トルコリラ』
『南アフリカランド』
の各通貨について解説をしていきます。
政策金利とインフレ率の関係
政策金利が高いということは、決済通貨を円として外貨を買った場合、
『高いスワップポイントが期待できる』
ということです。
ただし、無条件に政策金利が高いわけではないことを忘れないでください。
そう、政策金利が高いのにはワケがあるのです。
普通、政策金利を高く設定している国は『インフレ率』も高い傾向があります。
実質金利とは
実質金利とは金利を物価上昇率との関係から見たもので、見かけの金利(名目金利)から物価変動の影響(予想物価上昇率)を差し引いた金利を指します。一国の実質金利を見る場合、主に政策金利から消費者物価の前年比上昇率を差し引いて算出されることが多いです。
消費者物価の前年比上昇率とは『インフレ率』に相当する数値です。
物価が上昇すれば、相対的に通貨の価値が下がるわけですので、『インフレ率』は『通貨価値の下落の目安』として参考にできます。
これらのことを、FX運用に当てはめていえば、
・名目金利=政策金利≒スワップポイント
・物価上昇率=インフレ率
・実質金利=政策金利ーインフレ率
となり、運用する通貨ペアをスワップポイントだけに着目して判断するだけでは不十分だということがわかります。
なぜならば、
スワップポイントがいくら高くてもインフレ率がそれ以上に高ければ、実質金利はマイナスとなり、
スワップポイントの利益を通貨価値の下落が超えてしまう場合があるからです。
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各高金利通貨のスペック
では、新興国の高金利通貨である
『メキシコペソ』
『トルコリラ』
『南アランド』
の各通貨の長期チャートと金利、さらに期間中の下落率を確認してみましょう。
メキシコペソ
出典:Googleファイナンス
政策金利は8%、インフレ率3.78%です。
実質金利は
8-3.78=4.22%です。
レートは長期チャートによると、円換算で
2003年12月には9.57円
2019年8月には5.3円
となっており、期間中の下落率にして
(5.3-9.57)÷9.57×100≒-44.6%
1年あたりの下落率に換算すると
-44.6÷16≒-2.8%となります。
トルコリラ
出典:Googleファイナンス
政策金利19.75%、インフレ率16.65%
実質金利は
19.75-16.65=3.1%です。
円建てレートは
2006年5月には75.55円
2019年8月には18.23円
と、なっており、期間中の下落率を計算してみると、
(18.23-75.55)÷75.55×100≒-75.8%
1年あたりの下落率は
-75.8÷13≒-5.8%となります。
南アランド
出典:Googleファイナンス
政策金利6.5%、インフレ率4%
実質金利は
6.5-4=2.5%です。
円建てレートは
2003年12月には17.16円
2019年8月には7.01円
と、なっており、期間中の下落率は
(7.01-17.16)÷17.16×100≒-59.1%
1年あたりの下落率は
-59.1÷16≒-3.7%となります。
米ドル
参考までに代表的な通貨として米ドルのスペックも確認しておきましょう。
出典:Googleファイナンス
政策金利は現時点で2.25%、インフレ率2%です。
実質金利は
2.25-2=0.25%です。
円建てレートは
1996年11月には113.50円
2019年8月には106.30円
と、なっており、期間中の下落率は
(106.30-113.50)÷113.50×100≒-6.3%
1年あたりの下落率は
-6.3÷23≒-0.3%となります。
各通貨の比較
政策金利 | インフレ率 | 実質金利 | 1年あたりの下落率(対円) | |
メキシコペソ | 8 | 3.78 | 4.22 | -2.8 |
トルコリラ | 19.75 | 16.65 | 3.1 | -5.8 |
南アランド | 6.5 | 4 | 2.5 | -3.7 |
米ドル | 2.25 | 2 | 0.25 | -0.3 |
※単位:(%)
この表を見る限り、実質金利はいわゆる『高金利通貨』が米ドルよりも桁違いに高く、金利で儲けられる可能性が高いことがわかります。
ただし、レートの下落率も相応に高いため、
『高金利通貨は下落するもの』
という視点に立った考え方が必要になります。
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高金利通貨は下落し続けるのか
インフレ率や政策金利の違いが、通貨レートを動かす『力の1つ』であることは間違いのない事実です。
では、日本より政策金利の高い通貨は下落し続け、マイナス金利のスイスフランなどは上昇し続けることになるのでしょうか?
上記したGoogleファイナンスの長期チャートを見る限りにおいては、高金利通貨は軒並み下落しており、マイナス金利のスイスフランは上昇しています。
政策金利が変わらないうちは、そういった傾向があることは肝に銘じておいた方がよさそうです。
逆にいえば、何らかの理由で政策金利が変化すれば、通貨レートの動向もその都度、傾向が変わるということです。
付け加えるならば、インフレ率や政策金利がレートを動かす力の全てではないことも挙げておきましょう。
どんな事柄にも当てはまることですが、行き過ぎには必ずそれに対抗する『抑止力』というものが働きます。
つまりは、これから先の将来に向かって、ずーっと
『レートが下落または上昇し続けるということは考えにくい』
ということになるでのはないでしょうか。
ま、そんなことがわかっているなら、FXで儲けるなんて簡単ですよね。(*´ω`*)
ぶっちゃけていうとレートがどうなるかなんて『誰にもわからない』わけです。
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下落局面の高金利通貨をトラリピ運用するとどうなる?
トラリピでポジションを保有する場合、レートが高いときに一気に買うわけではありませんよね。
下落局面においては、
レートの下落に伴い徐々に買い進めることになります。
その間、レートは一方的に下落するのではなく、下落と上昇を繰り返します。
※〇〇ショックなどの場合を除く
そうすると、
『下落時に成立したトラップが上昇時に利確する』
といったことを『繰り返しながら』下落することになるのです。
すると、トラリピをしている口座は年利20%とかの勢いで資金が増えていくわけです。
つまりは、こういうことです。
ポイント
資金が増える割合が通貨の下落する割合を超えれば、口座が破綻することはなくなる
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高金利通貨をトラリピ運用する場合のポイントとは
ここまで読んでいただいたのなら、高金利通貨が下落しやすいということは理解できたと思います。
では、高金利通貨をトラリピ運用する場合、注意するべき点についてお話します。
高金利通貨とは下落するもの
大事なことなので何度でも言いますが、
高金利通貨とは『理論上、下落する傾向にある』
ことは間違いありません。
だからこそ、
下落を念頭においた運用
が大事になってきます。
手動トラリピで運用すると利益増が下落スピードを上回るのが確実であることは実績からわかってはいます。
が、相場というものは何が起こるのかわかりません。
ですので、実際に下落が予想を超えて進み、
何らかの対策が必要に迫られてきたときに、
具体的にどう動くのか!?
を事前に考えておくのが、高金利通貨をトラリピ運用する際の重要なポイントになるのです。
実際にロスカットを食らう人は
『どうすることもできずに』
『なすすべなく』
切られるワケです。
危機が迫っているときに
『やるべきことが明確にわかっている』
ことが非常に大事ってことなんです。
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まとめ
お疲れ様でした。
この記事では高金利通貨を長期トラリピ運用しても大丈夫なのか?っていう観点からお話をしてみました。
・高金利通貨のトラリピは条件つきで大丈夫
・条件とは『実質金利がプラス』『無茶な設定をしない』
・政策金利が高いのにはワケがある
・実質金利がマイナスなら、スワップポイントの利益を通貨価値の下落が超えてしまう場合がある
・高金利通貨の長期チャートによるとレートの下落率も相応に高い
・レートが一方的に下落または上昇し続けるということは考えにくい
・資金が増える割合が通貨の下落する割合を超えれば、口座が破綻することはなくなる
・高金利通貨とは理論上、下落する傾向にある
・下落が予想を超えて進んだとき、具体的な対策を事前に考えておく
以上です。
私は南アランド円のレートが12円台の頃からトラリピ運用をしてきました。
当初は利益がある程度貯まると引き出して使ってしまっていたために、何度か損切りも経験しましたが、
当初からレートが半値近くなった今でも着々と利益を上げ続けてきています。
手動トラリピに巡り合えなかったら、今のように穏やかな気持ちでFX運用などできていなかったとつくづく思います。(*´ω`*)
高金利通貨のトラリピ運用はまずこちらから覚えることがお勧めです。
それでは今回はこの辺で。
いつも最後までお読みくださり、ありがとうございます。
あなたが穏やかな気持ちでFXを続けていけるよう、願っております。
ヒロセ