どうも。
同じやるなら儲かる方がいいに決まっているヒロセです。
トラリピ運用には、ハーフ&ハーフという手法があります。
ハーフ&ハーフを簡単にいうと、中央値を決めて、
・高値域では売りトラリピ
・安値域では買いトラリピ
と分割して運用する方法です。
しかしですよ、どうせ売りトラリピも買いトラリピもするのであれば、
全域で同時にしちゃったらいいんじゃないでしょうか?
つまり、両建てトラリピです。
となると、ハーフ&ハーフと両建てトラリピは、
どっちの方が儲かるのか?
ってことが気になりますよね・・
ポイント

ぶっちゃけどっちが儲かるの?
説得力のある解説があれば知りたい
このような疑問にお答えします。
この記事では、両建てトラリピとハーフ&ハーフとの違いの解説と検証をしていきます。
検証では、設定した運用でのバックテスト結果を比較して、優位性の確認を行います。
イメージ的には儲かりそうですよね、両建てトラリピ。(*´ω`*)
なんせ全域で売り買い両方の利益が入ってくるんですから!
じゃ、なんでハーフ&ハーフなんて方法が考え出されたんでしょうか?
それにはやはりちゃんとした理由があったんです。d(´ω`*)






目次
両建てトラリピとハーフ&ハーフ、どっちが儲かるのか
今回、バックテストで両建てとハーフ&ハーフの比較をおこなったワケですが、
まずは『どちらが儲かるのか』って結果から公開していきましょう!
『儲かる』の基準は必要資金に対しての利益、つまり利回りで行います。
検証結果
総利益年利 | 純益年利 | |
両建て | 20.24% | 10.12% |
ハーフ&ハーフ | 36.14% | 32.39% |
結果はこうなりました。
どちらが儲かるのかという問いに対する答えはこうです。
結論
ハーフ&ハーフの方が圧倒的に儲かる
こちらのページでハーフ&ハーフ戦略の動画を見ることができます。(約4分半)
以降、解説を行います。

同設定での比較
2つのパターンで比較をするワケなので、できる限り条件を同一にしていきます。
そのための考え方として、次のような手順を踏みます。
まず、トラリピ設定を同じにしてバックテストを行います。
その後『必要資金の合計』に応じて年利を計算します。
最初に同一資金にしてしまうと、設定が違ってしまうため、
設定による利回りの違いが表れる
と考えられるからです。
同設定の定義
・通貨ペア、想定レンジ、トラップ本数、1本あたりの通貨数、利確1回の額が同じ
今回のトラリピ共通設定
通貨ペア | ユーロ円 |
想定レンジ | 110~140円 |
トラップ本数 | 16本 |
トラップ幅 | 2円 |
1本あたり通貨数 | 0.1万通貨 |
利確1回の額 | 2000円 |

両建てとハーフ&ハーフの違いとは
ハーフ&ハーフは厳密に言えば、両建ての1種ともいえます。
この記事での両建てとハーフ&ハーフの条件を次のように設定します。
両建て条件
・想定レンジの上限から下限まででトラリピ運用
・全てのレンジで買と売を『同時』に行う
ハーフ&ハーフ条件
・想定レンジを真ん中で区切ってトラリピ運用
・区切った2つのレンジで『それぞれ』買と売を行う
両建ての条件として、同じレートで売りと買い両方のポジションを同時に持つこととします。
対してハーフ&ハーフでは売りと買いのレートは別であり、ポジションを同時に持つことはありません。
つまり、
ハーフ&ハーフの場合、
売りゾーン買いゾーンでそれぞれ下落方向、上昇方向にしか利確しないのに対して、
両建ての場合、
どんなレートでも上昇下落両方向で保有ポジションが利確するということになります。

トラリピ設定の決め方
トラリピ設定の決め方手順は、次の通りです。
・通貨ペア、共通テスト設定を決める
・期間チャートを参照して、レート範囲をカバーする想定レンジとその他設定を決める
・以上の設定を運用試算表に入力して、必要資金額を算出する
通貨ペア、共通テスト設定
通貨ペアは、マイナススワップの影響を抑えるため、金利差の少ないユーロ円とします。
共通テスト設定
・通貨ペア:ユーロ円
・スプレッド:0.5銭
・スワップ:OANDAの数値を適用
・テスト期間:2015年5月1日~2020年4月30日
・1本あたり通貨数:0.1万通貨
・年利:運用試算表の『必要資金合計』に対する『総利益』『純益』のそれぞれの割合
期間チャート
両建て
チャート範囲をカバーできる想定レンジとその他設定は次の通りとします。
レンジ設定
・想定レンジ:110~140円
・トラップ本数:売り買い各16本
ハーフ&ハーフ
両建てに準じた設定をハーフ&ハーフ用に上下に分割します。
レンジ設定
・売りゾーン:126~140円
・買いゾーン:110~124円
・トラップ本数:売り買い各8本

必要資金額の算出
決まった設定を運用試算表に入力して『必要資金合計』を算出します。
運用試算表の使用には口座開設が必要です。
両建て
両建てマックス方式を採用しているFX会社の場合、売買でどちらか多い方の証拠金のみでOKです。
つまり、この設定での両建て運用に必要な資金は
320,000円
です。
ハーフ&ハーフ
レートが高く、証拠金が多く必要な『売トラリピ』での必要資金を計算します。
ハーフ&ハーフの場合、売買同時にポジションを持つことはありませんので、より証拠金が必要な『売』の必要金額が高くなります。
つまり、この設定でのハーフ&ハーフ運用に必要な資金は
98,560円
となります。

それぞれの設定でバックテストをしよう
必要な設定が全て決まりましたので、バックテストをしていきます。

両建て
両建てテスト結果
・必要資金:320,000円
・総利益:323,905円
・純益:161,848円
・総利益年利:20.24%
・純益年利:10.12%
年利=利益÷必要資金×100÷期間月数×12
ハーフ&ハーフ
ハーフ&ハーフテスト結果
・必要資金:98,560円
・総利益:178,109円
・純益:159,603円
・総利益年利:36.14%
・純益年利:32.39%
グラフの見方
青ラインが口座残高、緑ラインが有効証拠金です。
青ラインと緑ラインが離れているほど含み損が多いことを表しています。
バックテストでは、終了時に全決済することが前提なので、
含み損を清算した分、最終的な口座残高が落ち込むことになります。

結果比較表
各トラリピの結果が出そろったところで、もう一度比較表をご覧ください。
総利益年利 | 純益年利 | |
両建て | 20.24% | 10.12% |
ハーフ&ハーフ | 36.14% | 32.39% |
両建てトラリピでは、利確がガンガン積み重なり、特に総利益額ではハーフ&ハーフを大きく上回る結果となりました。
ただし、テストでは期間終了と共に全てのポジションが決済されることになってますので、総損失が非常に大きな額になっています。
ハーフ&ハーフの総損失が、‐18,506円に対して、
両建てトラリピの総損失は、‐162,057円と、まさに桁違いです!
両建てトラリピを一気に決済した場合、レートの位置に関係なく大きな損失を抱えることになります。
なぜレートが関係ないのか、といえば、
両建てでは
・買いの含み損が減れば売りの含み損が増える
・売りの含み損が減れば買いの含み損が増える
といった相関関係があるからです。
運用期間が長く、レートの振れ幅が大きくなればなるほど、含み損が増えていきます。
したがって、両建てトラリピの出口戦略は慎重に進めていく必要があります。
同設定のトラリピではタイミング次第で両建て有利となる場面もあるかと思います。
が、ハーフ&ハーフの利点は
・必要資金の少なさ=始めやすい、利回りがいい
・含み損の少なさ=止めやすい
ってことです。
『始めやすく』『止めやすく』『利回りがいい』なら、
やらない理由がないですよね!d(´ω`*)
ポイント
必要資金を考慮した『利回り』、さらに全決済を考慮した『純益年利』でハーフ&ハーフが圧倒的に有利
純益はテスト終了時のレートで大きく変動します。
運用を継続する場合は、『総利益年利』を、
停止する場合は、『純益年利』を参照してください。

まとめ
お疲れ様でした。
今回の検証により、ハーフ&ハーフの破壊力が十分に伝わったのではないでしょうか?
比較の結果、両建てトラリピがボロ負けとなったわけですが、両建てが全くいいところがないといえばそうではありません。
出口戦略がうまくいけば、それなりに有効な手段だと思いますし、ハーフ&ハーフの真ん中あたりを一部両建てにするのもありですね。
要はそれぞれの特徴を理解して、生かせるように運用すればいいわけです。
この記事で比較した両建てとハーフ&ハーフの注意点は
レンジを外れれば上下両方にロスカットの危険があることと、マイナススワップの影響です。
何もしてないのにお金が減っていくのはとんでもないストレスです。(;´・ω・)
できる限り、マイナススワップの少ない通貨ペアとFX会社で運用するべきです。
つまり、ハーフ&ハーフを有利に運用するのなら、
手動トラリピが前提ということになります。
手動トラリピを運用するには、まずは本家マネースクエアでしっかりと理解することがお勧めです。
仕組みさえ理解しておけば、かかる手間は普通の手動トラリピとさほど変わりません。
せっかく自由に選べるのなら、できるだけ有利な会社を選びましょう。
ハーフ&ハーフに有利な条件は、
『マイナススワップの割合が少ない』
『スワップ1本値』
です。
『マイナススワップの割合が少ない』FX会社
ハーフ&ハーフ向きのメジャー通貨のマイナススワップが低いのが特徴です。
『スワップ1本値』のFX会社
スワップ1本値に加えて、スプレッドもトップレベルの狭さです。
是非、最強のトラリピを試していただきたいと思います。
それではこの辺で。
できる限りリスクを抑えたうえで、できる限りの利益を上げていきましょう!
ヒロセ
追記
トレイダーズ証券では、2020年8月31日をもってスワップ1本値を廃止しています。
しかし、DMM.com、トレイダーズ証券ともプラスとマイナスの差は極小なので、依然ハーフ&ハーフ向きです。