どうも。
スワップポイント大好物のヒロセです。
スワップポイントの利点は、
・保有するだけで付与される
・付与されたらレート変動の影響を受けない(つまり確定益)
ってことが挙げられます。
ポジションを持ってるだけで、何もしなくても確定益が毎日入ってくるわけです。
こんないいことありませんよね!d(´ω`*)
と・こ・ろ・が!
スワップポイントっていうのは、もらえるだけではなく、
払わなければいけない
場面もあるんです。
何もしなくても、損失が毎日確定するってことです。
耐えられますか?
コレが、悪名高きマイナススワップです。
特に、トラリピでハーフ&ハーフ運用をしていたら、『売り』『買い』どちらかが必ずマイナススワップになります。
手動トラリピでかなり軽減はできますが、なくなることはありません。
ハーフ&ハーフで利回りが大幅に上がることは理解できますが、イヤなもんはイヤです!
マイナススワップを払わなくて済むよう、
通貨ペアを変えつつ運用できればいいんですが、
そう都合よく通貨ペアを乗り換えることも難しいと思われます。
どうしたらいいんでしょうか・・
ポイント
設定でなんとか軽減できないか?
検証した結果が知りたい
このような悩みにお答えします。
この記事では、トラリピ設定でマイナススワップの影響を減らせないかの検証を行います。
ハーフ&ハーフは、売りと買いを分けて運用する方法なので、
基本的にどちらかのみの運用となります。
であるなら、
・プラススワップに適した設定
・マイナススワップに適した設定
というものがわかれば、より利回りを上げていけるのではないでしょうか?
これから、それぞれに適した傾向を探るべく、バックテストを行っていきます。
設定でマイナススワップが減らせるのなら、やるしかないですよね!
目次
マイナススワップ対策の設定
これまでマイナススワップの対策としては、
・レートに対してマイナスの割合が少ない通貨ペア
・マイナススワップの少ないFX会社
・そもそもマイナススワップがつく運用をしない
このあたりしかありませんでした。
この記事では、
どうしてもマイナススワップでの運用をしなければいけないことを想定して、
『設定でどうにかできないのか?』
という視点で対策を考えていきます。
とりあえず、
『保有時間が関係するのではないか』
と、あたりをつけ、設定を変更しバックテストを行います。
テスト設定
設定変更に対しての変化がわかりやすいように、
テスト通貨ペアはマイナススワップが強烈な、
『南アランド円』
を採用します。
テスト時マイナススワップ
買いスワップ9.5円に対して、
売りスワップ‐25.34円です。
強烈ですね!
ちなみにスプレッドは1銭です。
運用方法は、
『売りトラリピ』
です。
南アランド円長期チャート
・チャート期間:2012年1月1日~2019年12月31日
・想定レンジ:6.4~11.2円
各テスト設定
利確幅 | 数量 | 1回あたり利益 | トラップ本数 | |
設定1 | 0.1円 | 1万通貨 | 1000円 | 49本 |
設定2 | 0.2円 | 2万通貨 | 4000円 | 25本 |
設定3 | 0.4円 | 4万通貨 | 16000円 | 13本 |
必要資金の算出
設定が決まったので、運用に必要な必要資金合計を運用試算表で算出します。
※運用試算表の使用には口座開設が必要です。
運用資金算出例
同様の試算を設定1~3まで算出した『必要資金』は以下の通り。
・設定1:1,395,520円
・設定2:1,424,000円
・設定3:1,480,960円
ここで算出した必要資金とテスト結果で、利回りを比較します。
テスト結果
設定1
・必要資金:1,395,520円
・純益:‐164,579円
・純益利回り:‐1.68%
設定2
・必要資金:1,424,000円
・純益:‐185,950円
・純益利回り:‐1.87%
設定3
・必要資金:1,480,960円
・純益:‐306,289円
・純益利回り:‐2.95%
比較表
利確幅 | 必要資金 | 純益 | 利回り | |
設定1 | 0.1円 | 1,395,520円 | ‐164,579円 | ‐1.68% |
設定2 | 0.2円 | 1,424,000円 | ‐185,950円 | ‐1.87% |
設定3 | 0.4円 | 1,480,960円 | ‐306,289円 | ‐2.95% |
マイナススワップが強烈すぎるので、すべての設定で利回りはマイナスとなってしまいました・・
単価数円の通貨ペアに数十円のマイナススワップがかかるので、当然といえば当然ですね。
しかしながら、
利確幅が広く、保有期間が長いほど、利回りが下がる
という傾向がハッキリと分かります。
これまでのバックテストで漠然と感じていたことですが、
利確幅が狭いほど、スプレッドの割合が上がり、純利益が上がりにくくなるのとは相反した結果が出たことで、
『スワップはポジションの保有時間に強く影響を受ける』
ことが有効な仮説として考えられます。
売り、買いそれぞれに適した設定
バックテストの結果比較により、
・プラススワップが得られるトラリピなら利確幅を広くして保有時間を長く
・マイナススワップなら利確幅を狭くして保有時間を短く
することで、より高利回りが狙えることになります。
今回のテストのように、極端にマイナススワップの割合が多くなければ、
為替差益でマイナススワップを上回ることは十分に可能でしょう。
さらに利確幅を狭くしてみる
では、
マイナススワップ域では、利確幅は狭ければ狭いほど利回りが上がるんでしょうか?
一応の傾向はつかめたので、ここからは番外編になりますが、
せっかくなので設定を変更して、さらに利確幅を狭くしてバックテストをしていきましょう。
各設定
期間チャート
・チャート期間:2016年1月1日~2019年12月31日
・想定レンジ:6.4~9.2円
各テスト設定
利確幅 | 数量 | 1回あたり利益 | トラップ本数 | |
設定1 | 0.02円 | 1万通貨 | 200円 | 141本 |
設定2 | 0.04円 | 2万通貨 | 800円 | 71本 |
設定3 | 0.8円 | 4万通貨 | 3200円 | 36本 |
必要資金
上記と同様に運用試算表で必要資金を算出します。
・設定1:2,492,880円
・設定2:2,510,560円
・設定3:2,545,920円
テスト結果
設定1
・必要資金:2,492,880円
・純益:‐519,087円
・純益利回り:‐5.20%
設定2
・必要資金:2,510,560円
・純益:‐475,068円
・純益利回り:‐4.73%
設定3
・必要資金:2,545,920円
・純益:‐451,445円
・純益利回り:‐4.43%
比較表
利確幅 | 必要資金 | 純益 | 利回り | |
設定1 | 0.02円 | 2,492,880円 | ‐519,087円 | ‐5.20% |
設定2 | 0.04円 | 2,510,560円 | ‐475,068円 | ‐4.73% |
設定3 | 0.08円 | 2,545,920円 | ‐451,445円 | ‐4.43% |
利確幅0.1~0.4円の時と違い、
利確幅が狭くなるほど、利回りが下がる結果となりました。
さすがに、利確幅が狭すぎるとスプレッドの割合が大きくなりすぎて不利なようです。
なんせ、利確幅0.02円(2銭)だと、一回の利確にスプレッド込みで3銭の上昇が必要になりますからね。
むしろ、
『よくこれだけの低下で済んでいる』
といえるのではないでしょうか。
まとめ
お疲れさまでした。
この記事では、トラリピ設定でマイナススワップの影響を減らせないかの検証を行いました。
‐25.34円という強烈なマイナススワップのため、
残念ながら全てのテストで利回りはマイナスとなってしまいました。
しかし、
以前から、バックテストのたびに感じていたことが立証されてやってよかったと思います。
同じ想定レンジで運用するにしても、
利確幅によってスワップの影響が変わってくる
これを設定の時に意識するだけで、比較的マイナススワップの影響を下げることができるでしょう。
金額的に大したことはありませんが、手間自体はそれほど変わりません。
だったら、もらうお金はちょっとでも多く、
払うお金はちょっとでも少なくなるよう、工夫するしかありませんよね!
それではまた。
効果が少ないような工夫でも積み重ねていけば最終的に大きな違いとなって現れますよ!
ヒロセ