どうも。
ヒロセです。
トラリピでのFX運用をしている場合、含み損は放置するのが前提です。
しかしながら、想定レンジを広げすぎると、安全ではあるものの利回りは期待できません。
なので、そこそこの利回りを狙うならば、
『ある程度、想定レンジを絞ってトラップを仕掛ける』
必要があります。
ただそうなると今度は、レート急変時に危険を感じる場面も出てくるでしょう。
ポイント

損切りに備えるってどうやって?
具体的な計算の方法が知りたい
このような悩みにお答えします。
ハイリスクになると必要になってくるのが損切りをどうするのかという問題です。
この記事では、実際にトラリピで損切りしなければいけなくなった場面を想定して、やるべきことの解説を具体的に進めていきます。
細かい数字がいっぱい出てきますが、頑張って理解してくださいね!(*´ω`*)
具体的な行動とその結果を理解しておくことで、損切りで後悔することが少なくなるハズです。
是非、あなたの資産を守る知恵を身に着けていただきたいと思います。





証拠金維持率を回復するには
証拠金維持率を回復するためには2つの方法があります。
維持率を上げるためには
1、入金する
2、損切りする
この記事では
『トラリピの損切り計算』
に焦点を当てて具体的な方法を表計算ソフトを使用して解説していきます。
ここでは攻めのトラリピで レート が下落して 証拠金維持率 がヤバくなってきたと想定します。
トラリピ設定は買いトラリピで、以下の条件の元で話を進めていきます。
攻め気味のトラリピ設定を想定する
通貨ペアは? | 南アフリカランド/円 |
運用予定額は? | 60万円 |
仕掛けるレンジ幅は? | 7.1~9円 |
レンジ内に仕掛ける本数は? | 20本 |
1本あたり何通貨? | 2万通貨 |
1回のリピートで狙う利益は? | 2000円 |
トラップ間隔 | 0.1円 |
9円からトレードを始め、レートが下落し、現在値7.1円ですべてのトラップが発動して、
『これ以上レートが下がったらヤバいよね』
『コレ、損切りしないとダメだよね』
となったとして、
このときの状況を運用試算表で計算してみます。
運用試算表の使用は口座開設が必要です。
南アランド円が9円から7.1円まで下落して、すべてのトラップが成立した時点での各数値です。
すべてのトラップ成立時
・現在のレート:7.1円
・保有ポジション合計:40万通貨
・必要証拠金合計:128,800円
・含み損合計:-380,000円
・ポジション維持のための必要資金:508,800円
・総資産:600,000円
・ロスカットされるレート:6.823円
さて、現在のレート7.1円でロスカットレベルは6.823円です。
あと0.277円の下落でロスカットされてしまいます。
ここまで来たら、なにかしら対策をしなくてはいけません。
一番いいのは資金を追加することですが、みんなそれができないから悩むんですよね~
なので損切りするしかありません。
損切りしかないのはわかった。
でも、
『どのように』
『どれだけ』
損切りすりゃいいんだ!?って話になりませんか?
これからそれをお話していきましょう。

どのように損切りするのか
損切りの目的は『さらなる下落に耐える』ことです。
下落に耐えるには
・『下落に耐える』ためにやるべきことは、証拠金維持率を上げること(※1)
・『証拠金維持率を上げる』ためには、必要証拠金合計を下げるしかない(※2)
・『必要証拠金合計を下げる』ためには、保有ポジション合計を減らすこと
※1、証拠金維持率=(有効証拠金÷必要証拠金合計)×100 (単位:%)
※2、レートが同じ場合、損切り前後で有効証拠金は同じ
つまり、損切りとは
『含み損を確定させて、保有ポジション合計を減らす』
行為なんです。
このとき、大事なポイントがあります。
ポイント
総資産をできるだけ減らさずに、保有ポジション合計を減らすこと!
つまり、
『含み損の少ないポジションから切る』
ということです。
なぜか?
たとえ含み損が多いポジションでも、レートが上昇すれば含み損は少なくなります。
しかし、切ってしまったものはレートが上昇しようが、爆上げしようが、損失額は変わりません。
有効証拠金自体は、損切りしようがしまいが、どこから切ろうが、
一銭も変化しない
のだから、損失の確定は少ない方がいいに決まってます。
※有効証拠金(時価残高)が変わらない理由はこちらを読んでみてくださいね。

どれだけ損切りするのか
さて、損切りのタイミングですが、
現在値7.1円で、6.823円まで下がればロスカットされるわけですから、これ以上の下落があれば即損切りするとします。
よって、さらに0.1円下落して、7円になれば発動するように損切り注文を各ポジションに設定します。
どれだけのポジションを損切りするのかは
『どこまでの下落に耐えられる設定にするのか』
により決まります。
とりあえず、
『7円まで下落した時点から、さらに0.5円の下落に耐えられるように損切りをする』
と仮定します。
となると、
『ロスカットレベルは6.5円以下』
ということになります。
損切りレートと目標のロスカットレベルがわかれば、そこから逆算することで損切りするポジション量が決まってきます。
損切り目標設定
・現在レート:7.1円
・タイミング:7円まで下落した時点で損切り発動
・目標:ロスカット6.823円➡6.5円以下へ
では実際の損切り作業に着手していきましょう。

損切りポジション量の特定の仕方
『レートが7円になった時点で』
『ロスカットを6.5円以下にする』
という目的で損切りを行う(ポジションを減らす)と決定したわけですが、
損切り後の設定値が変わってしまうため、
マネースクエアの運用試算表では計算が複雑になります。
そこで、表計算ソフトでの運用試算表を使用します。
損切り計算にはまずコレを覚えてください。
簡単ですので、是非やってみてくださいね。
うまくできたら帰ってきてください。(*´ω`*)

表計算ソフトでの計算方法
計算で損切りするポジション量を割り出すのは複雑になりますので、
『ポジションをどれだけ切ったら目的のロスカットレベルになるのか』
を想定して、結果を検証する方法が簡単です。
とりあえず、上記した設定で運用資産シートを作成します。
注意ポイント
表計算の結果、ロスカットレベルは6.872円となりマネースクエアの6.823円とは異なっています。
原因はマネースクエアの必要証拠金が『リアル変動型』に変更されているからです。
表計算シートでの証拠金はポジションを建てた時と変わらない前提ですが、
マネースクエアではレート変動と共に証拠金額が変動する仕様になっています。
さて、ここでもう一度損切りの条件を確認しておきましょう。
・現在レート:7.1円
・損切りするレート:7円
・損切り後のロスカット:6.5円以下
この条件がわかれば、あとは運用資産シートでシミュレーションすればいいだけです。
シミュレーション手順はこのようになります。
ポイント
1、必要資金合計を損切りレート時の状況に合わせる
2、総資産を損切りレート時の有効証拠金と含み損に分割する(※
3、損切りポジションの行を削除していく
※総資産=有効証拠金‐含み損
必要資金合計を損切りレート時の状況に合わせる
では、7円時の運用資産シートです。
必要証拠金と最大含み損を損切りレート時の状況にするために
手順1、『最低仕掛け値』の列を7.1から7に変更
します。
変わったのは『最大含み損』とロスカットまでの『猶予』です。
ポジションが増えたわけではないのでロスカットレベルは変わりません。
この時点での証拠金維持率は次のようになります。
損切り前の維持率
計算式:(有効証拠金÷必要証拠金合計)×100
有効証拠金=総資産+最大含み損=180000円
180000÷128800×100=139.75%
総資産を損切りレート時の有効証拠金と含み損に分割する
総資産を損切りレート時の有効証拠金と含み損に分割します。
理由は総資産から損切り額のみが引かれるように設定するためです。
手順2、H22セルをクリックして=180000-F22と数式入力ボックスに入力
します。
180000はレート7円時点での有効証拠金額です。(総資産‐含み損合計)
損切り前の総資産が60万になるようにします。
これで損切りポジションの確定損が総資産に反映されます。
図にするとこんなイメージ。

損切りポジションの行を削除していく
シート上の2~21行までがそれぞれ1本づつのトラップとなっています。
手順3、ロスカットが目的の『6.5以下』になるまでトラップを下から1本づつ削除
していきます。
操作は行の左端を右クリック>行の削除をクリックです。
ロスカット値を見ながら行を削除していった結果です。
下から10本、計20万通貨の損切りでロスカットが6.442円にまで下がりました。(*´ω`*)
結果として損切り額は60-49=11万円となりました。
証拠金維持率は
180000÷68400×100=263.15%
へ回復しました。
損切り計算結果
・損切りポジション:トラップ10本、20万通貨
・損切り額:‐110,000円
・ロスカット:6.872円➡6.442円
・証拠金維持率:139.75%➡263.15%
シミュレーション後の行動
シミュレーションの結果、損切り目標をクリアするタイミングとポジションが分かりました。
計算しただけでは実際の損切りは発動しませんので注文を入れなければいけません。
現状レート7.1円の前提ですから早めに損切り注文を発注しましょう。
損切り注文の入れ方
1、損切り対象のポジションの決済注文をキャンセルする
2、各ポジションに対して、7円で売りの逆指値注文とキャンセル前の指値決済注文を同時に発注する(OCO注文)
これで、7円に下落した時点で損切りが発動し、
ロスカットは6.442円に下がり、維持率は263.15%まで回復します。
仮に7円に下落せずレートが反転上昇した場合には最初の予定通りに利確します。

まとめ
どうでしょうか?
60万円の資金を11万円損切りして、ロスカットレートを6.872円から6.442円へ下げる具体的な方法をお伝えしました。
もちろん損切り額を大きくすれば、もっと安全なロスカットレートにすることも可能です。
損切りの話は何度もしてきてますので、重複するところも多々あるとは思いますが、非常に重要なので繰り返しお話しています。
・まずは、現在(損切りが必要と感じた時点)の口座状況を把握する。
・含み損の少ないポジションから切ることを考える。
・さらなる下落にどれだけ耐えられるようにするのかを考える。
・耐えられる猶予から損切りするポジション量を割り出す。
・ポジションを減らした結果、どれだけ損失が確定するのか計算する。
以上、具体的な損切りの流れでした。
今回は数字が多くて、苦手な人は難しかったかもしれませんね・・
ここまで読んでいただき、本当にお疲れ様でした。
それではこの辺で。
どうか、あなたの資金がロスカットされないよう、願うばかりでございます。
今回もありがとうございました。
ヒロセ